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2018 年度 実施状況報告書

癌抑制因子ATBF1の細胞内局在をバイオマーカーとする前立腺癌悪性度診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K11024
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

川口 誠  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (50204699)

研究分担者 三浦 裕  至学館大学, 健康科学部, 教授 (90285198)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードATBF1 / 心不全 / 全身うっ血
研究実績の概要

最近、ATBF1異常は癌だけでなく、体内時計 Circadian Function (Cell.2015)と深く関連し、1アミノ酸変異が、ヒトの肥満を引き起こす(Nat Genet. 2018)という驚くべき事実の報告が続いている。名古屋市立大学生理学・分子生物学教室との協力により、ATBF1 発現がヘテロに欠落したノックアウトマウス(+/-) が作製され【(-/-)は胎児致死である】、飼育1年8ヶ月になるが、メス・オスともに、肥満と思われる体型異常が観察されるようになっている。肥満の組織学的変化の観察という新課題も出てきているが、現在ATBF1ノックアウトマウスでの全身の組織学的変化を検討中で、全身皮膚に異常な弛緩(コラーゲン異常を想定)を来すことが明らかになり、さらに全身血管のうっ血が観察されている。
E18 マウス検体(対照)、E18 ATBF1 KOマウス検体は、名古屋市立大学、新潟労災病院でのATBF1染色、PDGFβレセプター染色も終了し、E18マウス全身血管に関して、血管外皮の厚さ、血管外皮のPDGFβレセプターの染色強度判定、うっ血の度合いの指標として血管内径の計測比較、末梢血管の血管構築異常によるうっ血の評価が目標となっている。観察の結果、E18ノックアウトマウスでは、E18対照マウスと比較して、全身特に肺、腎臓、肝臓、脳を中心に末梢血管でのうっ血が高度である事が判明している。詳細を見極めるために末梢血管構築の観察、比較を行ったが、特徴的な構築異常を見出す事が出来てない。
現在、観察の方針を変更し、鬱血性心不全の原因を明らかにする事を観察目標と変更した。心臓(矢状断面)を E18対照、E18ヘテロマウス、E18ノックアウトマウスの全切片で、写真撮影を行い、すべてを比較して、心臓の構築(左右心房・心室構造)のどの部位に違いがあるのかを観察中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、ATBF1 の下流に位置する PDGFRβの発現異常のために血管構築の異常が起こり、全身のうっ血の原因となるはずだ。という結果を得る目標で観察をすすめてきたが、どうも、心不全が第一の原因で、全身のうっ血を惹起していると考えざるを得なくなってきている。従って、心不全がなぜ ATBF1 のノックアウトマウスで起こっているのか?という問題を解決する方向に方向転換しているため。

今後の研究の推進方策

心臓の機能、心臓の解剖学的構築の判定、異常の発見が必須となってきている。循環器内科の研究者の協力を得ながら、研究を推進する予定である。

次年度使用額が生じた理由

計画していた標本作製その他の操作が、思ったより資金が少なくて出来た事がその理由であり、今後、写真撮影、デジタルデータ操作、論文発表のための Figure 作りに資金を使っていく予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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