研究課題
平成28年度は, 日本医科大学附属病院泌尿器科の研究協力者が人事異動で不在となり,マンパワーの不足により計画していた研究に遅れが生じた.平成29年度では新たな研究協力者を確保したため,遅れた計画を懸命に遂行中である.以下に,平成28年度に行い得た研究内容を示します.1.日本医科大学附属病院において,経尿道的膀胱腫瘍切除術を行い,組織診が行われた症例で,かつ,BCGの膀胱内注入療法が施行された過去3年分の膀胱癌症例を抽出した.2.抽出した各症例において,年齢,全身状態,症候の有無,血算,生化学などの臨床情報,画像(骨盤部MRI,全身CT,骨シンチなど)による臨床的病期診断,病理学的因子として,腫瘍の肉眼像や組織像(悪性度,病理学的深達度,浸潤形式,リンパ管・静脈侵襲の有無,断端の状態),さらに,再発の有無,再発までの期間などの調査を行った.そして、これらを基にデータベース作成を進めている.次年度も引き続きデータベース作成を進める.3.CD8による免疫組織化学染色をサンプル症例に行い,機械学習におけるプログラムのセッティングを行った.セグメンテーションから測定、機械学習までの一連の作業をサンプル症例において確認することができた.次年度はさらに症例数を増やすと共に,種々の染色のバリエーションに対応可能にするように進めていく予定である.また,機械学習を効率よく進めていくため,研究分担者と電話および直接のミーティングを通し綿密に行った.次年度以降は実際の解析を効率よく進めていくため,より打ち合わせの頻度を増やしていく予定である.
3: やや遅れている
研究協力者の人事異動等で実験計画の遂行が難しかった.
人事異動した研究協力者に変わる人材を確保した.現在,研究計画を見直した上で進行中である.本年度において,1.染色条件を調整したCD8による免疫組織化学を行い,標本を作製し,Nanozoomer (浜松フォトニクス)を用いて,病理標本のデジタル化を行う.2.網羅的定量的な形態情報解析:デジタル化した病理標本(バーチャルスライド)全範囲の腫瘍内浸潤リンパ球の細胞核に対し精密に各々30項目以上の形態特徴量を抽出するためにリンパ球用に調整を加え精度を高める.核形態特徴量はArea, Perimeter, Compactness, Eccentricity, FormFactor等の数学的に定義された特徴量とGray-Level Co-Occurrence Matrix (GLCM)等の核内テキスチャーを含む約30項目を解析する.
研究が遅れているため,必要物品の購入がなかったため.
免疫組織化学用試薬,抗体,尿中サイトカイン測定キット等の購入に充てる予定である.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (8件) 図書 (3件)
Jpn J Clin Oncol
巻: 47 ページ: 262-264
10.1093/jjco/hyw187
BMC Urology
巻: 16 ページ: 1-10
10.1186/s12894-016-0182-2
Eur Urol
巻: 71 ページ: 151-154
http://dx.doi.org/10.1016/j.eururo.2016.07.032.
泌尿器外科
巻: 30 ページ: 9-16
巻: 70 ページ: 675-683
http://dx.doi.org/10.1016/j.eururo.2016.03.017
Br J Cancer
巻: 115 ページ: 195-202
10.1038/bjc.2016.171.
Int J Urol
巻: 23 ページ: 395-403
10.1111/iju.13072. Epub 2016 Mar 27.
腫瘍内科
巻: 18 ページ: 145-153
日本臨牀
巻: 74 ページ: 310-317
医学のあゆみ
巻: 257 ページ: 931-937
巻: 29 ページ: 959-967