研究課題
転移性腎細胞癌の治療の中心の一つは血管新生阻害剤による癌細胞の栄養枯渇である。deprivationされるものに糖(glucose)がある。glucose deprivation抵抗性細胞株は、感受性細胞株と比較して優良なミトコンドリア機能と、carbon storeを有していることが分かった。さらに、ミトコンドリア機能に関連するreactive oxygen species (ROS) との関連について調べたところ、glucose deprivation抵抗性細胞株は感受性細胞株と比較してROSの発現が低く、ROSの分解酵素のひとつSOD2高発現腎癌は、ROSが低下し、ミトコンドリアのcoupling efficiencyが高く、治療抵抗性を示す可能性が示唆された。次にVHLの標的遺伝子である、HIF-1遺伝子およびHIF-2遺伝子のsiRNAを用いてglucose deprivation時の細胞死について調べたところ、HIF-2およびそのnetworkがglucose deprivation耐性に関連していることが示した。最後に腎癌原発巣を次世代シーケンサーGenome analyzerを用いてdiscovery cohortとして、①腎摘後5年以上転移なく生存症例(n=27), ②腎摘、転移巣診断後4年以上生存症例(n=7), ③腎摘、転移診断後2年以内に死亡例(n=9), と3つのグループに分類しグローバルトランスクリプトーム解析を行ったところ、ARL4C高発現症例はハザード比167 (95%信頼区間 4.71-1000, P<0.001)で独立した予後因子であった。次にvalidation cohortを用いて、腎癌原発巣を用いてARL4C発現を免疫組織染色法により調べたところ、ARL4C高発現症例は有意に予後不良であることが確認された(P<0.001)。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件)
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