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2018 年度 実施状況報告書

間質性膀胱炎における膀胱上皮再生のマスター転写因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K11059
研究機関獨協医科大学

研究代表者

山西 友典  獨協医科大学, 医学部, 教授 (90220425)

研究分担者 加賀 勘家  獨協医科大学, 医学部, 助教 (80584812)
井上 健一  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードマスター転写因子 / 間質性膀胱炎 / ハンナー病変 / 尿路上皮 / iPS干渉法 / 再生医療 / レンチウイルスベクター / 排尿機能
研究実績の概要

前年度までの研究により、遺伝子座にスーパーエンハンサーを有する候補転写因子は82種類が同定されていた。また間質性膀胱炎検体も昨年度より20症例付け加わり、患者生検を用いた発現解析の精度を高めることが出来た。因子分析より、発現している転写因子を似た性質ごとに4つのグループに分けて、それぞれの役割をグループ内に入っている既知のマーカーから推定することに成功した。その中で特に興味深いのが、TP63やGRHLといった既知の幹細胞系のマーカーが入っている第2グループとUPKやKRTといった既知の細胞内での局在を示すマーカーが入っている第4グループである。主成分分析を行うと、間質性膀胱炎の病型(ハンナ型、非ハンナ型)を2つのグループの転写因子の発現量で分離出来る可能性があることが分かってきた。これは間質性膀胱炎の診断の一助になるだけでなく、病因が不明な本疾患の病態解明に寄与する可能性がある。また、第2グループに分類された転写因子群は、皮膚上皮組織の再生に関わるマスター転写因子(Kurita M, et al. nature. 561, 243-247, 2018)と同様のものも含まれており、尿路上皮組織の再生に関わる転写因子はこのグループ内にある可能性が高いと考えている。最終年度は、ここまで絞り込んだ候補転写因子のレンチウイルスベクターを作成し、iPS干渉法で分化誘導能力をスクリーニングして、本研究の目的であるマスター転写因子を同定したいと考えている。当該年度に得た研究成果を用いて、引き続き効率的に研究を進めたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

proof of conceptとなる小規模な研究から始まった本研究であるが、間質性膀胱炎に関わる転写因子の既知の報告との共通点もありつつ、新たな候補転写因子の発見など、本疾患における新しい知見が得られている。最終年度に、当初の予定通りマスター転写因子の同定の段階まで進んでおり、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

引き続き症例数を増やして解析の精度を高めつつ、当初の予定通り候補転写因子の発現ベクターを作成し、iPS干渉法を経て最終年度でマスター転写因子を同定する。可能であれば、同定したマスター転写因子を用いた新たな診断手法の模索や分化させた尿路上皮細胞を使った再生医療の確立につながる研究につなげたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

昨年度はこれまで購入していた物品で必要な解析が出来たため、実際に使用した研究費が少なくなった。最終年度で候補マスター転写因子が含まれるベクターを作成し、iPS干渉法で分化誘導能力をスクリーニングする予定である。それにより、間質性膀胱炎に関わるマスター転写因子を同定したいと考えている。その際に用いるiPS細胞の準備や培養、消耗品購入などに助成金が用いるため、翌年度分と合わせて請求する方針である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ハンナ型と非ハンナ型間質性膀胱炎の分子生物学的相違2019

    • 著者名/発表者名
      加賀勘家、井上健一、加賀麻祐子、布施美樹、石塚満、山西友典
    • 学会等名
      第18回日本間質性膀胱炎研究会

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公開日: 2019-12-27  

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