研究課題/領域番号 |
16K11060
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研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
松吉 ひろ子 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (10448772)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膀胱炎 / モデル動物 / ラマン分光 |
研究実績の概要 |
塩酸を膀胱内投与して作成した急性・慢性膀胱炎モデルラット膀胱から取得したラマンスペクトルを解析することにより、今回作製した炎症モデルでは、膀胱壁を構成する蛋白質(構造蛋白質が有力)の変性または組成の変化が病態に大きく影響している可能性があるという結果を得た。この結果より、微小プローブを使用することにより、ラット膀胱組織のラマンスペクトル測定が可能であることが判明した。また、実験では摘出膀胱を使用したが、ヒト膀胱鏡と微小プローブを組み合わせれば、前処理なく、非侵襲的に生体膀胱を測定することが可能であると考えられた。そのため、臨床応用を念頭に、測定者の違いが結果に与える影響をみると、慢性対照群と投与群とのスペクトル変化が現れる領域・変化傾向は各実験とも一致していた。しかしながら、臨床応用には、測定結果を解析して標準値と比較し判別できる診断機構が必要であり、データの蓄積とケモメトリクス解析や新たな計算式を確立するなど解析方法の立案が不可欠である。 平行して、病因・病態探索のための免疫組織学的手法を用いた膀胱蛋白質発現様式変化検出を計画した。ウエスタンブロット法による蛋白発現、組織片での蛋白局在の解明のための実験準備には着手したが、研究代表者の研究施設異動のため、計画通りに実験を進めることが出来ず、まだ、結論は得られていない。 衛星細胞による調節を証明する方法として、当初、衛星細胞を直接刺激することを考えていたが、細胞が小さく技術的に難しいことが判明したため、衛星細胞の産生する調節因子を神経細胞に直接作用させることによる間接的証明を計画し、実験装置構築に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該年度(当初の研究予定期間の最終年度)に所属施設を異動したが、異動先にはすぐに使用可能な研究設備がなく、実験を計画通りに進めることができなかった。 また、必要な実験機器の設置もなく、順次購入しているものの、実際の実験により妥当な結果を得ることができるような環境整備には時間が足りなかった。
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今後の研究の推進方策 |
衛星細胞による調節を証明する方法として、当初、衛星細胞を直接刺激することを考えていたが、細胞が小さく技術的に難しいことが判明したため、衛星細胞の産生する調節因子を神経細胞に直接作用させることによる間接的証明を計画し、実験装置構築にも着手した。実験環境を整え実験を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究予定期間最終年度に所属施設を異動したが、転任先施設には使用可能な実験室がなく、実験を計画通りに進めることができなかった。電気生理・光学機器など必要な機器の設置もなく、一部購入はしたが、実際に実験により妥当な結果を得ることができる環境を整備することができなかった。 次年度は、免疫組織化学実験、生理学実験を計画しており、抗体、試薬の購入を予定している。
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