研究課題
研究最終年度終了に当たり「超選択的副腎静脈サンプリングに基づく機能温存手術の完成」の成果は着実に蓄積された。研究分担者森本玲は原発性アルドステロン症患者の内分泌学的検査・管理を精力的に行う傍ら、複数の論文を執筆、AJHから依頼を受けて原発性アルドステロン症に関する総説を発表した。更に、本研究テーマの重要な対象群である画像陰性原発性アルドステロン症患者に対する詳細な解析結果を、J Clin Endocrinol Metabに上梓した。研究分担者高瀬圭は東北大学放射線科を引き続き主導して、超選択的副腎静脈サンプリングを研究し臨床面で遂行した。特に低容量造影剤と低電圧でのCTによる右副腎中心静脈の探索に注力した。その成果の一部はEur J Radiolに上梓した。研究分担者伊藤明宏、川崎芳英、三塚浩二、海法康裕は森本、高瀬等が作成した個々の原発性アルドステロン症患者の責任病変に対して、マッピングに従って安全に副腎機能温存手術を遂行、そのデータの蓄積を継続した。川崎芳英は本年度もそのアウトカムを多数例で解析、結果を日本泌尿器内視鏡学会総会で発表した。研究代表者石戸谷滋人は研究チーム全体のデータを管理、統括を行った。Quality of lifeのデータ収集も順調に進み、術後2年目までのアウトカムをまずInt J Urolに投稿、受理された。この3年間の研究により、「原発性アルドステロン症においては、正確な術前の局在診断の下に、全摘術だけでなく部分切除術=機能温存手術も標準治療の一環となりうる」という仮説を十分に立証しうる成果が蓄積されたと確信している。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
International Journal of Urology
巻: - ページ: -
American Journal of Hypertension
巻: 31 ページ: 522-531
doi.org/101093/ajh/hpy/018
European Journal of Radiology
巻: 98 ページ: 150-157
doi.org/10.1016/j.ejrad.2017.11.017