研究課題/領域番号 |
16K11074
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
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研究分担者 |
井上 貴昭 関西医科大学, 医学部, 助教 (00411512)
木下 秀文 関西医科大学, 医学部, 准教授 (30324635)
吉田 健志 関西医科大学, 医学部, 助教 (40572673)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 内視鏡手術 / 技術分析 |
研究実績の概要 |
内視鏡技術は時に、開腹手術とは異なり行動の制限を受けた状態で処置を行う必要があり、手術経験年数の増加と共に、慢性炎症など筋骨格系への負担が起きる可能性が示唆されている。過去には、タスク全体を通した筋疲労度の評価がなされているが、関節位置と筋疲労の関連性の検討は例がない。腹腔鏡手術の縫合操作時において、初心者の関節位置を熟練者と比較して観察すると、肩位置を拳上させたり、肩関節を外転させる動作をしばしば見受ける。どのような操作を行っている際に、特定部位の筋肉が使用され疲労が蓄積するのかを検討する事で、技術差による筋疲労を検証し疲労軽減に役立てたい。 平成29年度は筋電計測系FreeEMGを用いて、実際のロボット補助下前立腺全摘除術における筋電図解析、周波数解析を、大阪電気通信大学と共同で開始した。前立腺全摘除術における、各手術パート(後腹膜展開、膀胱頸部切開、前立腺尖部展開、膀胱尿道吻合)において前腕、肩周囲の筋電を計測できる環境のセットアップを行った。対象筋肉は僧帽筋、三角筋、腕橈骨筋、尺側手根屈筋としており、解析を行っている。初心者では、頻用している筋肉と対称側に存在する筋肉の動きが、熟練者に比べると大きい結果となっている。これは、初心者が無駄な筋肉を利用しタスクを行っていることを示していると考えられる。利き腕、利き腕と対側の腕ともに、計測対象として今後分析を行う。また各手術パートにおいて、精査を行いどのパートに疲労蓄積が起こるリスクが高いかを評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、ダビンチ手術における筋電図分析を開始し進捗はおおむね順調な状況である。分析手法が確立させ、腎部分切除に関しても分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在リアルタイムに筋電図活動量を呈示するシステムを開発中であり、 将来的には筋電図による筋収縮殿フィードバックシステム開発を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
筋電図計測機および周波数計測システムの選定に時間を要したため繰越金額が発生いたしました。次年度に購入予定としております。
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