研究課題/領域番号 |
16K11079
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西郡 秀和 東北大学, 大学病院, 准教授 (40453310)
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研究分担者 |
大塩 清佳 東北大学, 大学病院, 特任助手 (00769739)
木村 芳孝 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40261622)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 胎児心電図 / 有精卵 / 甲状腺低下 / パルブロ酸 / CAGE解析 |
研究実績の概要 |
有精卵を用いての実験。鶏胚の脳についてcomprehensive analysis of gene expression(CAGE)法を用いて、mRNAの発現レベルの検討を行うため、卵齢14コントロール群、メチマゾール20μL/個投与群、バルプロ酸35 μmol/個投与群を作成した。卵齢19日に、それぞれ3羽ずつ、大脳、小脳、脳幹、視葉に分けて摘出、RNA抽出して、CAGE法解析を行った。コントロール群と比較し、メチマゾール群とバルプロ酸群それぞれ、数十種類の増減するmRNAを認めた。 マウスを用いた実験。胎児心電図を用いた実験の一環として、バルプロ酸投与群について、マウスの実験を行った。胎齢12.5日に600mg/kgで妊娠マウスにバルプロ酸を投与、胎齢18.5日に胎仔心電図を計測した。コントロール群(9匹) に比較し、バルプロ酸群(10匹)の胎仔は、低周波数成分/高周波数成分の比が有意に低下した。成分の比は、交感神経活性の指標である。バルプロ酸投与された、鶏胚およびマウスモデルは、ヒトの自閉症スペクトラムのモデルとして報告されている。その病因解明として、鶏胚モデルとマウスモデルで、共通に増減するmRNAを同定するため、上述のマウス胎仔の脳の、CAGE解析も行った。現在、その結果を解析中である。 ヒトを対象とした検討では、甲状腺疾患群10組、抗てんかん薬服用群および精神神経疾患16組を対象に胎児心電図測定の解析を行った。胎児は動くため、心電図波形は腹壁信号を取る場所によって変わるので、chを切り替えてch15からch24まで測定ができる設定だが、胎児心電図波形のR波のピークを正しく検出しているものは、甲状腺群は10件中5件で、抗てんかん薬服用群および精神神経疾患10件中5件であった。現在、これらの解析を行っている。
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