研究課題
子宮は経腟的に直接的なアプローチが可能な臓器であるにもかかわらず子宮に対するdrug delivery system(DDS)だけでなくgene delivery system (GDS)の報告はあまりない。子宮内腔に経腟的にカテーテルを用いて直接投与する方法を用いて、かつ子宮内膜面においてがん細胞に再標的化する事ができれば、正常子宮内膜を温存した新しい子宮体がん治療における妊孕性温存療法が提案できるのではないかと考えた。子宮体がんの約4-5%は40歳未満である事が報告されており、近年多くの国で晩婚化および晩産化が進む中、初期子宮体がんの妊孕性温存療法の需要は増加傾向にある。若年性の子宮体がんでは多くが排卵障害を呈し原発性不妊症である事から妊孕性温存に対して強い希望がある事が多い。初期子宮体がんの妊孕性温存療法として、高濃度のプロゲスチン両方が唯一の選択肢である。最もよく知られているプロゲスチン療法はMPA(酢酸メドロキシプロゲステロン)の経口投与である。MPA 療法は奏功率は高いものの再発率も高く、MPA 療法中に治療効果判定のために物理的な子宮内膜掻爬を繰り返すため、治療が奏功したとしても、子宮内膜が菲薄化しなかなか妊娠に至らない事が問題である。本研究では、センダイウイルスの外殻を用いたHVJ-E vectorそのものを初期子宮体がんの妊孕性温存療法に最適化する事を目的とした。我々は、HVJ-E vectorを用いたマウス子宮内膜に対するGDSシステムを報告してきた。マウスにおいて妊娠初期、中期、後期に投与したとしてもHVJ-E vectorそのものは妊娠を阻害せず、胎児に明らかな影響を認めなかった。いくつかのヒト子宮体がん細胞株においてin-vitroおよび免疫不全マウスに移植したin-vivoモデルにおいてもHVJ-Eの投与により抗腫瘍効果が認められた。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (19件)
Hypertens Res.
巻: 42(1) ページ: 29-39
10.1038/s41440-018-0092-7.
Journal of Translational Science D
巻: Epub ahead of print ページ: -
10.15761/JTS.1000314
Biochem Biophys Res Commun
巻: 499: ページ: 150-155
10.1016/j.bbrc.2018.03.086.
J Obstet Gynaecol Res
巻: 44 ページ: 1080-1086
10.1111/jog.13622.
Reprod Sci
巻: 25 ページ: 830-836
10.1177/1933719117698575.
巻: 44 ページ: 1947-1955
10.1111/jog.13726.
Reprod Med Biol
巻: 17 ページ: 255-261
10.1002/rmb2.12098.
Reprod Fertil Dev
巻: 30 ページ: 619-623
10.1071/RD17209.
Hum Reprod
巻: 33 ページ: 2241-2248
10.1093/humrep/dey313.
Med Hypotheses
巻: 121 ページ: 36-41
Am J Pathol.
巻: 188(11) ページ: 2474-2486
10.1016/j.ajpath.2018.07.021.