研究課題/領域番号 |
16K11090
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 教文 広島大学, 病院(医), 病院助教 (20403553)
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研究分担者 |
亀井 直輔 広島大学, 病院(医), 講師 (70444685)
石川 正和 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (60372158)
皆川 詩織 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (00747975) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脳性麻痺 / CD133+細胞 / VEGF |
研究実績の概要 |
同意を得た妊婦の分娩または帝王切開での児娩出後の臍帯から臍帯血を採取し、自動磁気細胞分離装置(autoMACS)を用いて、ヒト臍帯血由来CD133+細胞を単離、保存した。 臍帯血由来CD133+細胞投与により分泌される脳性麻痺の抑制因子の同定を行った。生後3日齢の新生仔ラット(SDラット)の大脳皮質スライス(400μm厚)を培養し、培養開始の翌日からの24時間低酸素負荷を行った群(低酸素群)と低酸素負荷を行ってない群(コントロール群)、低酸素負荷後にCD133+細胞を投与した群(投与群)の3群を作成した。これら3群における脳性麻痺の発症を抑制していると考えられる因子の発現量をreal-time RT-PCRにより確認した。 まず、CD133+細胞投与3日後の培養組織を用いて、神経成長因子である神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、NT-3および血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を確認した。NGF、BDNF、NT-3においては、3群間で有意な差は認めなかったが、VEGFではコントロール群に比し、低酸素群、投与群において有意に発現量が低下していた。この結果はVEGFの減少が大脳皮質の低酸素障害後の神経障害に負の影響を及ぼしている可能性を示唆している。 しかし、投与群での障害の抑制にはほかの因子が関与している可能性や障害後の時間経過が影響を及ぼしている可能性も考え、引き続いて、Ang-1の発現、および低酸素障害後のより早い時期での諸因子の発現について確認を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他の業務の影響を受け、当初予定していたエフォートの配分(20%)を当該研究にあてることができなかった。 研究分担者の大学院への進学による離脱のため、研究の進行が遅滞した。
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今後の研究の推進方策 |
脳性麻痺の発症を抑制していると考えられる因子のreal-time RT-PCRによる発現量の確認を引き続き行う。 また、当初の予定通り、脳性麻痺の抑制に関与していると考えられるマイクロRNAの探索も進めていく。 研究の遂行を計画通り行うため、研究分担者の増員を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
脳性麻痺の発症を抑制していると考えられる因子の発現量を確認するためのreal-time RT-PCRの検索回数が想定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に追加で施行予定のreal-time RT-PCRでの検索の費用に充てる予定。
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