研究実績の概要 |
正常単胎胎児群(コントロール;C群)31例、胎児異常群66例(胎児発育不全;FGR群23例、胎児心疾患;CHD群13例、双胎間輸血症候群;TTTS群1例、TTTS発症なし双胎;non-TTTS群29例)のエントリーを当院産婦人科で行なった。超音波診断装置ACUSON S2000 (Mochida Siemens Medical Systems)を用いて、研究計画に基づき胎児心臓超音波検査を行った。それぞれの症例において、妊娠14週以降より2週間毎に検査を行い記録した。のべ超音波試行回数は、C群207回、胎児異常群205回であった。現在、C群について解析が終了しており、C群について行った解析結果は下記1-4の通りである。本研究は初めて, VVIを用いて縦断的に正常胎児の心筋発達を示した. 今後、胎児疾患群のデータ解析を行い、C群と比較することにより、FGRや, CHD、TTTSの早期発見に寄与する可能性がある。 1.Global longitudinal velocity: Left ventricle(LV)100%, Right ventricle(RV)84.6%で妊娠経過に伴い増加した. Diastolic velocityは、LV・RVともに76.9%が妊娠経過に伴い増加した. 2.Segmental longitudinal velocity: 自由壁基部および中部において, LV・RVともに収縮期76.9%, 拡張期61.5%で妊娠経過に伴い増加した. 3.Global systolic strain, strain rate : LVおよびRVにおいて, 妊娠経過で変化はなかった(0 to 30%). 4.Segmental systolic strain, strain rate: 3と同様に, 変化はみられなかった(0 to 30%).
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