研究課題/領域番号 |
16K11114
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中田 雅彦 東邦大学, 医学部, 教授 (10294646)
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研究分担者 |
日根 幸太郎 東邦大学, 医学部, 助教 (50729308)
大路 斐子 東邦大学, 医学部, 助教 (90385641)
與田 仁志 東邦大学, 医学部, 教授 (90589053)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 双胎間輸血症候群 / 胎児心不全 / NT-proBNP / 超音波ドプラ法 |
研究実績の概要 |
双胎間輸血症候群における胎児循環不全の診断法・管理法の確立のため、以下の項目について、前年度に引き続き研究を遂行した。 研究①:胎児循環の評価方として、胎児心機能の評価に主眼をおいた。超音波パルスドプラ法を用いた胎児の心拡張能の評価法の確立を行った。心拡張能の評価として、Dual-gate Doppler法による胎児左右心室のE/e'の計測を行った。正常胎児を対象として計測を行い、在胎週数による変化と基準値の構築を行った。同計測法による基準値の策定は、これまで国内・国外を問わず行われていない状況であり、今回、はじめて明らかとなった結果であり、研究結果は国際的な学術誌に投稿し、受理された。研究②;上記手法を双胎間輸血症候群の胎児に対して行った。双胎間輸血症候群の治療前後での変化、臨床的な従来の重症度評価方との関連について検討した。検討結果は現在国際的な学術誌に投稿中である。 研究③;胎児循環不全の生化学的マーカーの探索として、双胎間輸血症候群の治療時の羊水中のNT-proBNPの測定を行った。対象として、双胎間輸血症候群を発症していない症例の分娩時の羊水を用いて、比較検討を行った。その結果、双胎間輸血症候群の重症度とNT-proBNPの濃度との間に有意な正の相関関係を認め、同結果を国内外の学会において発表すると共に、現在、学術雑誌へ投稿中である。研究④:初年度に加え、羊水中のカテコラミン濃度の検討を行った。研究③と同様の手法で、健常胎児・病的状態での比較検討を行う予定である。研究⑤:2Dトラッキングシステムを用いた胎児心収縮能の検討を初年度に加え行った。同手法による胎児心室のfractional shorteningの計測を行い、在胎週数による基準値のデータを集積する 研究の最終年度である次年度は、上記研究を引き続き遂行すると共に成果発表と研究のまとめを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
双胎間輸血症候群における胎児循環不全の診断法・管理法の確立のため、以下の項目について、前年度に引き続き研究を遂行した。 研究①:胎児循環の評価方として、超音波パルスドプラ法を用いた心拡張能の評価について検討した。Dual-gate Doppler法による胎児左右心室のE/e'の計測を行い、在胎週数による変化と基準値の構築を行った。研究結果は国際的な学術誌に投稿し、受理された。 研究②;上記手法を双胎間輸血症候群の胎児に対して行い、その変化を検討した。検討結果は現在国際的な学術誌に投稿中である。 研究③・④;胎児循環不全の生化学的マーカーの探索として、羊水中のNT-proBNPの測定を行った。双胎間輸血症候群の重症度とNT-proBNPの濃度の相関関係を認め、同結果を国内外の学会において発表すると共に、現在、学術雑誌へ投稿中である。また、羊水中のカテコラミン濃度の検討、2Dトラッキングシステムを用いた胎児心収縮能の検討を初年度に加え行った。 研究⑤:2Dトラッキング法による胎児心室のfractional shorteningの計測を行い、在胎週数による基準値の作成を行った。成果発表として論文投稿の準備中である。 研究全体の進捗状況が計画通りに遂行できていることについては、、研究代表者、研究分担者ともに研究手法に習熟していることが本研究が立案通りに順調に進展している要因と考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度、29年度に引き続き、胎児循環不全の超音波学的パラメーターおよび羊水中の生化学的パラメーターの測定および探索を継続し、研究の総括と成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、羊水中の生化学的バイオマーカーであるNT-proBNPやカテコラミンの測定に関する物品費(消耗品費)および成果発表のための旅費、論文投稿費(その他)に当該助成金を使用した。研究計画の進捗によって当初の予定よりも消耗品費および旅費が低額となったため、次年度使用額が生じたが、次年度で使用予定である。 平成30年度は試薬・検査に必要な消耗品の購入や、検査・解析費、成果発表のための論文投稿・学会参加費・旅費等に使用する予定である。
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