| 研究課題/領域番号 |
16K11123
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
金野 陽輔 北海道大学, 医学研究院, 助教 (10572703)
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| 研究分担者 |
董 培新 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50602504)
櫻木 範明 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (70153963) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 子宮体癌 / microRNA / EZH2 / EMT |
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| 研究実績の概要 |
EZH2によるmiRNA発現の制御機構を明らかにすることを目的として研究を行った。新たなゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9法を用いて、EZH2遺伝子を効率よくノックアウトするためのgRNAをデザインして、Cas9 mRNAとともにLipofectamine Messenger Maxで体癌細胞に導入した。そして、T7EN1lアッセイ及びシーケンス解析により特異的にEZH2 DNAの切断、変異導入が生じたことを確認した上で、EZH2発現レベルの低下をWestern blot法により確認した。その後、miRNAマイクロアレイを実施し、EZH2遺伝子のノックアウトによって、発現が亢進するmiRNAを、EZH2によって負に調節される miRNA（let-7b、miR-101、miR-200a、miR-200b、miR-200c及びmiR-361）として洗い出し、更に定量PCR法 により確認した。これらのmiRNAの機能について、癌細胞の浸潤能をinvasion assayで、増殖能をclone formation assayで、スフェア形成能をsphere formation assayで、抗癌剤に対する耐性をMTT assayで、EMT、増殖関連遺伝子及び癌幹細胞マーカー遺伝子発現の変化を定量PCR法とWestern blot法により検討することで、体癌細胞の悪性形質を抑制するmiR-361を同定した。また、Human Promoter ChIP-on-chipマイクロアレイ及びルシフェラーゼアッセイによって、EZH2蛋白質は、miR-361のプロモーター領域配列に結合して、直接的にその発現を抑えることで、体癌細胞の浸潤能、増殖能、スフェア形成能、抗癌剤に対する耐性またEMT形質を促進することを明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に基づき、EZH2によるmiRNA発現の制御を解明した結果、EZH2によって制御される癌抑制的miRNA群を発見した。体癌細胞株を用いた実験で、体癌細胞の悪性形質を抑制するmiR-361を同定した。更に、EZH2によって直接に抑制されるmiRNAとして、miR-361を同定した。これは研究計画通りの成果であり、順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、IL-6/8過剰産生におけるEZH2の役割及び作用機構について検討する。EZH2 cDNAの過剰発現とノックアウトによるIL-6/8など炎症性サイトカインの発現量の変化を検討し、IL-6/8の分泌量を調べる。IL-6/8など炎症性サイトカインの存在下での体癌細胞悪性形質の評価を行う。TargetScanなどのデータベースを用いて、IL-6/8を標的とするmiRNA群をin silicoで予測し、miRNAを介するEZH2によるIL-6/8の産生亢進のメカニズムを明らかにする。そしてEZH2の発現を変化させ、またEZH2特異的阻害剤GSK343の処理で、EZH2の不活性化を誘導することで、潜在的な下流シグナル分子経路をWestern blot法により解析し、IL-6/8異常産生に関与するEZH2の下流シグナル伝達経路の特定を試みる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究は計画通り進展しており、IL-6/8過剰産生におけるEZH2の役割及び作用機構の解明に必要な試薬を購入する必要があったため。
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