研究課題/領域番号 |
16K11129
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水口 剛雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40372396)
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研究分担者 |
佐藤 豊実 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80344886)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子宮体癌 |
研究実績の概要 |
これまでに我々は、子宮体癌の腫瘍組織における癌抑制遺伝子PTEN,p53の遺伝子変異の有無、変異の遺伝子上の位置、蛋白発現量などが、患者の予後および臨床病理学的特徴と有意に相関することを報告してきた。また卵巣癌細胞株のPI3-kinase/Aktシグナル経路上の遺伝子変異の有無と、同経路に対する分子標的治療薬に対する感受性とが有意に相関し、一方従来の抗癌剤に対する感受性とは相関しないことも報告してきた。このように個々の癌が有するゲノム情報が、婦人科癌において分子標的治療薬をも含む治療法に対する感受性を予測できる可能性がある。一方で、子宮体癌の遺伝子異常にはゲノム異常に加え、プロモーター領域のメチル化、マイクロサテライト不安定性、microRNAの発現など、エピゲノム異常も存在することが知られており、従来のゲノム情報に加えて、今回更にこれら遺伝子プロモーター領域のメチル化、マイクロサテライト不安定性、RNA発現のマイクロアレイ解析、次世代シークエンサーによるmicroRNA解析などを施行することにより、得られたエピゲノム情報を加えて統合的に解析することで、新たな分子標的治療の標的分子候補の同定を目標としている。現在、当科において初回治療を施行した子宮体癌症例の、手術検体のパラフィン包埋ブロックの薄切標本および抽出したDNAの解析により得られた遺伝子・蛋白異常のゲノム情報、およびマイクロサテライト不安定性や遺伝子プロモーター領域メチル化などのエピゲノム情報に関して、臨床病理学的因子や予後との関連性を統合的に解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮体癌症例において、得られたゲノム・エピゲノム情報を現在統合的に解析中であり、おおむね順調に進行していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノム・エピゲノム情報と臨床病理学的因子や予後との関連性について統合的解析を更に進める。解析の結果から必要であれば、ゲノム・エピゲノム情報の追加分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) ゲノム・エピゲノム情報の解析に、余剰額が生じたため。 (使用計画) ゲノム・エピゲノム情報の解析の継続に使用する予定である。
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