研究実績の概要 |
1. Hormone replacement therapy (HRT) によるE2の濃度によってDHEASがどのように変化するかを42例について検討した。HRTのレジメンは経口19例、経皮23例であった。HRT開始前および投与後3ヵ月でのE2, FSH, LH, DHEA-S を測定した。DHEA-S 値は有意に減少した(p<0.001). 投与3ヵ月後のE2値は6.5 ~159 pg/mlまでばらついていた。ΔDHEA-S (投与3ヵ月後濃度 -投与前濃度) とΔE2 との間には有意な相関はみられなかった(r=0.114, p=0.471)。DHEA-S値はΔE2 による4分位いずれの群においても有意に減少したが、4分位群間で有意差はみられなかった。HRTによるE2のわずかな増加であってもDHEA-S 値は有意に減少することが示された。 2. 周閉経期における卵巣並びに副腎系のホルモンの変化として、cross-sectional study: 症例数27例(のべ54例)についてpre, peri, postにおける変化、 longitudinal study:症例数14例(のべ41例)についてpre, peri, post)における変化を検討した。E2は減少し、FSH及びLHは増加下が、Total T, free T, ASD, cortisol, DHEASについては一定の傾向はみられなかった。 3. 周閉経期における卵巣並びに副腎系のホルモンの相関についても検討中である。 4. 周閉経期におけるFSHの変化として、のべ560例を検討し、(1)閉経後に増加がわずかな群54.4+/-12.5(n=155)、(2) 閉経後に増加が中等度の群85.2+/-9.0(n=156)、(3) 閉経後に増加が著しい群127.8+/-23.0(n=154)に分類され、代謝との関連を検討中である。
|