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2016 年度 実施状況報告書

周閉経期における中枢・卵巣・副腎ネットワークの時間的調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K11143
研究機関徳島大学

研究代表者

安井 敏之  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (40230205)

研究分担者 松井 寿美佳  徳島大学, 病院, 助教 (00622888)
苛原 稔  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (20160070)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード周閉経期 / 卵巣 / 副腎 / DHEAS
研究実績の概要

1. Hormone replacement therapy (HRT) によるE2の濃度によってDHEASがどのように変化するかを42例について検討した。HRTのレジメンは経口19例、経皮23例であった。HRT開始前および投与後3ヵ月でのE2, FSH, LH, DHEA-S を測定した。DHEA-S 値は有意に減少した(p<0.001). 投与3ヵ月後のE2値は6.5 ~159 pg/mlまでばらついていた。ΔDHEA-S (投与3ヵ月後濃度 -投与前濃度) とΔE2 との間には有意な相関はみられなかった(r=0.114, p=0.471)。DHEA-S値はΔE2 による4分位いずれの群においても有意に減少したが、4分位群間で有意差はみられなかった。HRTによるE2のわずかな増加であってもDHEA-S 値は有意に減少することが示された。
2. 周閉経期における卵巣並びに副腎系のホルモンの変化として、cross-sectional study: 症例数27例(のべ54例)についてpre, peri, postにおける変化、 longitudinal study:症例数14例(のべ41例)についてpre, peri, post)における変化を検討した。E2は減少し、FSH及びLHは増加下が、Total T, free T, ASD, cortisol, DHEASについては一定の傾向はみられなかった。
3. 周閉経期における卵巣並びに副腎系のホルモンの相関についても検討中である。
4. 周閉経期におけるFSHの変化として、のべ560例を検討し、(1)閉経後に増加がわずかな群54.4+/-12.5(n=155)、(2) 閉経後に増加が中等度の群85.2+/-9.0(n=156)、(3) 閉経後に増加が著しい群127.8+/-23.0(n=154)に分類され、代謝との関連を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1. 横断的な研究については各群での対象者数に偏りが見られるものの、研究実施計画にそって対象者のリクルートは順調に行われている。
2. ホルモン補充療法(HRT)での検討については、HRTに関して積極的な治療を望まない女性も多く、リクルートにやや時間を要するものと思われる。
3. 検体は順調に収集できているが、測定費用が高いため、測定項目の内容について見直しを行っている。
全体的には本研究はおおむね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

1. cross-sectionalな検討については症例数を増やし、群わけでの対象者数に偏りがないようにする。また、種々の代謝パラメーターとの関連性を検討する。
2. longitudinalな検討についても症例数を増やすとともに、脱落がないように対象者とのコミュニケーションを図っていく。また、種々の代謝パラメーターとの関連性を検討する。
3. FSH並びにLHについて、(1) 閉経後に増加が著しい群、(2) 閉経後に増加が中等度の群、(3) 閉経後に増加がわずかな群の3群について、副腎で産生されるホルモンとの関連を検討し、種々の代謝パラメーターとの関連性を検討する。また、閉経後での検討を行っていたが、閉経移行期での検討も有用である可能性が出てきたため、さらに閉経移行期についても進めていく。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Sex Hormone-binding Globulin in Women with Oral Ultra-low-dose Estradiol2017

    • 著者名/発表者名
      Matsui S, Yasui T, Kasai K, Keyama K, Yoshida K, Kato T, Uemura H, Kuwahara A, Matsuzaki T, Irahara M
    • 雑誌名

      Journal of Obstetrics and Gynaecology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1080/01443615.2017.1285275

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Changes of liver enzymes and triglyceride during the menopausal transition in Japanese women2016

    • 著者名/発表者名
      Matsui S, Yasui T, Kasai K, Keyama K, Kato T, Uemura H, Kuwahara A, Matsuzaki T, Irahara M
    • 雑誌名

      Journal of Obstetrics and Gynaecology

      巻: 36 ページ: 806-811

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] High androgenicity and unfavorable cardiovascular risk profiles in non-obese women around menopausal transition2016

    • 著者名/発表者名
      Matsui S, Yasui T, Kasai K, Keyama K, Yoshida K, Kato T, Uemura H, Kuwahara A, Matsuzaki T, Irahara M
    • 雑誌名

      Andrology & Gynecology: Current Research

      巻: 4 ページ: 1-5

    • DOI

      10.4172/2327-4360.1000146

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 女性の元気も男性ホルモンが支える?更年期後の問題点2016

    • 著者名/発表者名
      安井敏之
    • 学会等名
      抗加齢内分泌研究会
    • 発表場所
      札幌プリンスホテル(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-10-29
    • 招待講演
  • [学会発表] 新たな時代のHRTを考える2016

    • 著者名/発表者名
      安井敏之
    • 学会等名
      第8回産婦人科内分泌研究会
    • 発表場所
      東京ガーデンパレス(東京都文京区)
    • 年月日
      2016-09-29
    • 招待講演
  • [学会発表] 超低用量経口エストラジオールは性ステロイドホルモン結合グロブリンを増加させる2016

    • 著者名/発表者名
      松井寿美佳 安井敏之、笠井可菜、毛山薫、吉田加奈子、加藤剛志、上村浩一、苛原稔
    • 学会等名
      第68回日本産科婦人科学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • 年月日
      2016-04-23
  • [学会発表] ホルモン剤を用いた更年期女性への治療戦略2016

    • 著者名/発表者名
      安井敏之
    • 学会等名
      第5回秋田県女性医学研究会
    • 発表場所
      秋田キャッスルホテル(秋田県秋田市)
    • 年月日
      2016-04-18
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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