研究課題/領域番号 |
16K11143
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安井 敏之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (40230205)
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研究分担者 |
松井 寿美佳 徳島大学, 病院, 助教 (00622888) [辞退]
苛原 稔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (20160070)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 周閉経期 / 卵巣 / 副腎 / コルチゾール / DHEAS |
研究実績の概要 |
1)周閉経期における卵巣・副腎系のホルモンの変化と相関:横断的検討では158例、前向き検討では17例(のべ47例)におけるpremenopause, menopausal transition, early and late postmenopauseにおける変化を検討した。Total T, free T, Androstenedione, cortisolについては一定の傾向はみられなかった。DHEAは周閉経期に一過性の増加を示したが、コルチゾールは有意な変化が見られなかった。コルチゾール/DHEA-S比は周閉経期に一過性に低下した.また、DHEA-Sとコルチゾールとの間には相関関係がみられなかった。 2)周閉経期の各時期における卵巣・副腎系のホルモンと脂質・糖代謝パラメーター:158症例について相関関係を検討し、不規則月経時にコルチゾールはTC,TG,LDL-Cと正の相関の傾向を,HDLと負の相関の傾向を認めた.コルチゾール/DHEA-S比はTGと有意な正の相関を認めた. 3)周閉経期におけるFSHの変化:横断的検討としてのべ817例を検討した結果、その増加の割合は、高度、中等度、軽度に分類でき、現在代謝との関係を検討中である。 4)HRTによるコルチゾールの変化:経口E2群17例と経皮E2群18例のHRTを受けた女性について、開始前と投与3ヵ月後のコルチゾールを検討した。投与前のコルチゾールにばらつきがみとめられたため、投与前のコルチゾールを高値群と低値群の2群に分けて検討し、高値群では有意に減少し、低値群では有意に増加した。 5)働いている女性の更年期障害には精神神経症状が多く、職場でのストレスが関係する。勤労状況としてfull-timeとpart-timeに分類して検討したところ、full-time workersではホルモン療法をより多く用いて対処していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)研究実施計画に沿って、横断的な研究については各群での対象者数に偏りが見られるものの、リクルートは順調に行われている。 2)ホルモン補充療法(HRT)での検討については、HRTに関して積極的な治療を望まない女性も多く、リクルートにやや時間がかかると思われる
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今後の研究の推進方策 |
1.横断的検討についてはさらに症例数を増やし、premenopause, menopausal transition, early postmenopause, late postmenopauseの各時期における群わけでの対象者数に偏りがないようにする。また、脂質代謝や糖代謝をを中心とした代謝パラメーターと内分泌ホルモンとの関連性を検討する。現在、傾向にあるものも症例数が増えることで有意差が見られるようになる可能性を考えている。 2.longitudinalな検討についても症例数を増やすとともに、脱落がないように対象者とのコミュニケーションを図る。また、種々の代謝パラメーターとの関連性を検討する。 3.FSH並びにLHについて、(1) 閉経後に増加が著しい群、(2) 閉経後に増加が中等度の群、(3) 閉経後に増加がわずかな群の3群について、副腎で産生されるホルモンとの関連を検討し、糖代謝や脂質代謝の代謝パラメーターとの関連性を検討し、周閉経期における特徴を見出す。
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