研究課題/領域番号 |
16K11148
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 昭三 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40347555)
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研究分担者 |
山田 有紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20588537)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
栗田 典之 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40283501)
長安 実加 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (80623496)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / 低分子医療薬 / 獲得耐性 |
研究実績の概要 |
卵巣癌を含む各種悪性腫瘍培養細胞における、uPA結合部位のバンドエイド型第2・第3世代ペプチドKGnの有効性を評価した結果、有益なペプチド長としてuPARのリガンドポケットを塞ぐためには、KGnとして25.0~37.0オングストロームの長さが必要であることが分かった。nを1~10に変化させ、必要な長さが確保出来るnの値を求めた結果、KG5が最も抗腫瘍効果が高かった。今年度はペプチド薬の安定性と獲得耐性に関して評価した。鍵穴に深く入り込む従来型低分子薬uPA17-34は、卵巣癌の増殖及び浸潤を抑制するものの、3か月以内に獲得耐性を認めた。KG5は2か月接触培養で薬剤耐性を認めたが、KG6は3か月以上の接触培養でも薬剤耐性を認めなかった。すなわち、KG6はKG5に比較してその親和性はやや劣るものの、3か月の接触培養でも薬剤耐性は生じなかったため、ヒトへの応用では有利であると考えられる。バンドエイド型ペプチドの効果は実証できたため、ヌードマウスを用いた動物実験でも、CDDPとの併用効果を確認した。しかし、uPA17-34に比べて親和性、すなわち治療効果が1/5にとどまった。そこで、Ab initio法によるコンピュータデザインを再度行い、結合エネルギーの上昇等を工夫して、親和性を向上させている。 研究の発展のため、uPARと同様に重要である遺伝子ARID1Aに対する合成致死遺伝子をLibrary Screeningで探索した。その結果、第1段階スクリーニングで13個の遺伝子がヒットした。現在、第3段階スクリーニングで遺伝子X, Yに絞り込むことができ、薬剤耐性効果を検証中であり、バンドエイド型ペプチドに改良しているところである。
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