卵巣癌は早期発見が困難で予後が悪い。しかしながら、骨盤外進展のない症例の5年生存率は9割を超えていることから早期発見は非常に重要である。近年、卵巣癌は卵巣以外の細胞からも癌化する説が提唱されている。そこで卵巣癌早期発見には発癌由来細胞への早期の対処を行うことが必要であると考え本研究にて次の成果を得た。①卵巣癌例の液状細胞検体より卵巣癌本体と同様のTP53変異を検出した。②卵巣癌疑いの悪性腹膜中皮腫症例より採取された腹水から細胞株の樹立に成功した。樹立された細胞株は蛋白発現解析や薬剤感受性試験および次世代シークエンサー解析などのデーターの詳細な解析を行い悪性腹膜中皮腫由来であることを実証した。
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