研究課題
研究代表者が所属する施設では、研究代表者は、手術標本からの検体採取・保存、臨床病理学的情報の収集・管理、MMR遺伝子産物・癌抑制遺伝子産物・シグナル伝達物系分子・ホルモンレセプター等に関する免疫組織化学、FISH法を用いたゲノム異常の探索、薬剤感受性試験などを担当している。平成29年度だけでも新規の妊孕性温存治療を開始した若年体癌(G1/G2)・異型増殖症(AEHC)患者は15名に達し、合計298名となり、単一の組織ではこれを上回る治療例成績の報告は世界中にない。現在275例時点での成績をまとめ、国際学会で発表する抄録を投稿済みである(2018年9月のInternational Gynecological Cancer Societyで発表予定)。主な治療成績を以下に示す。治療後の経過観察が1年以上可能であった248例を対象に解析を行った。病変消失率はAEHC102例において96.5%、類内膜腺癌G1例142例において89.4%、G2例4例において100%であった。子宮内再発率は病変消失後5年にて、AEHC例55%、G1例83%、G2例75%であった。病変消失と再発に関与する臨床病理学的因子としては、多のう胞性卵巣、月経不整周期、hMLH1蛋白発言低下、Lynch症候群関連癌の家族集積性、治療終了時の内膜細胞診のFISH異常所見(1p、17pゲノム異常)が確認された。治療目的である妊孕性温存結果については、248例中76例において122回の妊娠が成立し、そのうち84名の生児が得られた。パートナーがいる症例においての妊娠率は48%であった。新生児分娩に至った後は、有意に子宮内再発率が低いこと、またG1またはG2例における分娩後再発率が有意にAEHCより高い(5年時で64% vs.41%)ことを、世界で初めて報告した。
3: やや遅れている
研究代表者は、国際医療福祉大学三田病院にH29年4月に着任した。そのため、H29年度は研究遂行にあたって今までとは環境が変わったことが多少影響し、研究遂行がやや遅れがちで、主に薬品、試薬購入を行うための使用額が減少した。しかしながら、臨床データの解析の方は着実に蓄積が進んでおり、MSI、腫瘍免疫の関連、薬剤・ホルモン剤感受性のマーカー検索に必要なデータは整備されつつある。豊富な臨床データをもとに、薬剤・ホルモン剤感受性のマーカー検索や予後因子たりうる分子の特定するための準備は整っている。
研究代表者は、国際医療福祉大学三田病院にH29年4月に着任した。そのため、H29年度は研究遂行にあたって今までとは多少環境が変わったことが影響し、研究遂行がやや遅れがちで、主に薬品、試薬購入を行うための使用額が減少した。しかしながら、慶應義塾大学医学部内には、現研究に必要な機材が既に設置されており、今までの研究データに加えて、同じ機器で引き続き症例数を増やして解析していく必要があるため、また研究資料も医学部内に保管されているため、研究最終年度のH30年は、慶應義塾大学医学部内で引き続き行っていく予定である。H29年度の1年間で、臨床データの解析の方は着実に進んでおり、MSI、腫瘍免疫の関連、薬剤・ホルモン剤感受性のマーカー検索に必要なデータは整備されている。豊富な臨床データをもとに、薬剤・ホルモン剤感受性のマーカー検索や予後因子たりうる分子の特定のための準備は整っている。3年目にあたる本年度は、昨年度後半に行う予定であった手術検体を用いたMSIと腫瘍免疫の関連についての解析を進め、次いで、マーカーたりうる予後因子、薬剤感受性に関わる因子について、内膜細胞診・組織診検体での検索への応用を試みる予定である。
研究代表者は、国際医療福祉大学三田病院にH29年4月に着任した。そのため、H29年度は研究遂行にあたって今までとは環境が変わったことが影響し、研究遂行がやや遅れがちで、主に薬品、試薬購入を行うための使用額が減少した。しかしながら、H29年度の1年間で、臨床データの解析の方は着実に進んでおり、MSI、腫瘍免疫の関連、薬剤・ホルモン剤感受性のマーカー検索に必要なデータは整備されている。豊富な臨床データをもとに、薬剤・ホルモン剤感受性のマーカー検索や予後因子たりうる分子の特定のための準備は整っており、次年度使用額を用いて、2年目後半に行う予定であった、手術検体を用いたMSIと腫瘍免疫の関連についての解析を急ぎ進める予定である。次いで、3年目研究予定である、マーカーたりうる予後因子、薬剤感受性に関わる因子について、内膜細胞診・組織診検体での検索への応用を試みる予定である。
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