研究課題/領域番号 |
16K11158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大城 久 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60381513)
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研究分担者 |
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80251304)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / 癌性腹水 / 悪性腹水 / 横隔腹膜 / リンパ管小孔 / lymphatic stomata / リンパ行性転移 / 腹膜擦過・液状処理細胞診 |
研究成果の概要 |
卵巣癌の術中に横隔腹膜擦過・液状化細胞診を行い、卵巣癌の横隔腹膜転移の予測因子を調べた(n=76)。卵巣癌の横隔腹膜転移陽性例で頻度が有意に高かった所見は癌性腹水(オッズ比42.9)、リンパ節転移(オッズ比27.0)、大網転移(オッズ比13.7)、大網以外の腹膜転移(オッズ比11.2)、原発巣での癌のリンパ管侵襲(オッズ比6.4)、卵巣被膜表面への癌露出(オッズ比5.6)、術前化学療法施行例(オッズ比4.7)、高異型度漿液性癌(オッズ比3.5)、リンパ節非郭清例(オッズ比0.3)だった。年齢や卵巣癌の被膜破綻、原発巣での癌の血管侵襲に関して横隔腹膜転移陽性例と陰性例との間で有意差はなかった。
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自由記述の分野 |
医歯薬学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌の横隔腹膜転移が癌性腹水発症の独立した予測因子となる可能性を研究代表者は既に報告している。本研究の結果は、癌の横隔腹膜転移の病態形成の上で癌のリンパ節転移が重要な予測因子となることを示唆しており、『骨盤内や傍大動脈のリンパ節に癌が転移し、腹膜や後腹膜にリンパのうっ滞が起こり、それに伴って腹水の産生速度が吸収速度を上回って腹水が貯留し、癌細胞が逆行性(あるいは経路再選択性)リンパ行性に横隔腹膜リンパ管に到達し、リンパ管小孔を介して癌細胞が腹腔へ出ていくことで癌性腹水が発生する』という研究代表者の新たな仮説をある程度支持するものと思われ、この点において本研究成果には学術的意義があると考えられる。
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