研究課題
基盤研究(C)
肥満と子宮体がんの伸展の詳細なメカニズムは分かっていない。我々はまず子宮体がん患者における内臓脂肪量と皮下脂肪量を測定したところ、内臓脂肪が子宮体がんの転移、再発、予後に関連していることがわかった。次に内臓脂肪から分泌しているサイトカインFABP4を子宮体がん細胞株に添加したところ、その細胞増殖能効果は認められた。さらに子宮体がん354例の組織マイクロアレイ標本を作製し、EMT関連蛋白(Snail、Slug、TWIST、E-cadherin)の免疫染色を行ったところ肥満患者におけるEMT関連蛋白の増加を認めた。肥満患者は脂肪分泌サイトカインにより転移・播種が促進される可能性が示唆された。
婦人科腫瘍
我々が肥満および内臓脂肪と子宮体がんの転移・再発に関するメカニズムの一部を解明したことにより、今後子宮体がんの発症予防や治療開発において新たな戦略を構築できる可能性があり、子宮体がん患者の予後改善につながると考える。