研究実績の概要 |
5種類の子宮体癌細胞株(SNG-II、 HEC-50B、Ishikawa, HEC-1A, AN3-CA)を用いてイトラコナゾールによる増殖抑制実験を行い、cDNA microarray を用いて各細胞株でのシグナル伝達系の変調を検討した。【MTT assay】子宮体癌由来細胞株を培養し、ジメチルホルムアミドで10-2Mとなるように溶解したイトラコナゾール(ITCZ)を最終濃度0.5, 1, 2, 5, 10 μMで調整、各濃度のITCZ添加培養液で癌細胞株を培養し、24~96時間まで経時的に細胞を回収し、MTT Cell Proliferation Assay Kit (Cayman Chemical Company, Ann Arbor, MI, USA)を用いて、570nmの吸光度計で生細胞数を計測した。HEC\1A、AN3-CAが著明に細胞増殖が押させられた。これらをresponderとして、その他のnon-responderとをマイクロアレイ解析で比較した。複数の子宮体癌細胞株をITCZ 10μM及びジメチルホルムアミド(vehicle)で72時間培養しmRNAを抽出し、発現遺伝子の変化をSurePrint G3 Human Gene Expression 8×60K v2 Microarray Kit (Agilent Technologies, Tokyo, Japan)を用いて網羅的に測定し、Ingenuity iReport (Tomy Digital Biology, Tokyo, Japan)を用いて解析した。これまで報告されている、ヘッジホッグシグナル伝達経路への作用についてresponderにmRNA発現変化は認めなかった。次にヘッジホッグシグナル伝達経路、オートファジーへの作用、上皮間葉移行への作用をWestern blotsで検討したところ、responderはAKT/mTORを介する抑制が示唆された。以上について下記に論文化した。Tsubamoto H, Inoue K, et al. Itraconazole Inhibits AKT/mTOR Signaling and Proliferation in Endometrial Cancer Cells. Anticancer Res. 2017;37(2):515-519.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下記に論文化した。Tsubamoto H, Inoue K, et al. Itraconazole Inhibits AKT/mTOR Signaling and Proliferation in Endometrial Cancer Cells. Anticancer Res. 2017;37(2):515-519.また、Window of opportunity 臨床試験を、平成27年8月から実施し着実に症例集積を行っており、2~4週間のITCZ投与前後で得られた組織を凍結、パラフィン包埋保存し、末梢血からDNA及びRNAを抽出保存している。
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