本研究では、DNA採取と純音聴力検査を実施した8例(難聴者4例、非難聴者4例)を含む常染色体優性の非症候群性中耳奇形家系および3世代にわたる常染色体優性遺伝ANSD家系を対象に全エクソーム解析を実施した。中耳奇形に関しては、7例のDNAを用い、次世代シークエンサーに よる全エクソーム解析を行った。見出された変異のうち家族歴との整合性を確認したところ、7つの遺伝子に候補変異を同定した。このうち、HOXA2遺伝子は発生に関与する転写因子をコードしており、これまでに常染色体劣性・優性遺伝形式をとる小耳症の原因遺伝子として報告されている遺伝子であり、遺伝性中耳奇形の新規原因遺伝子であると結論づけた。
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