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2017 年度 実施状況報告書

先天性難聴を誘発する新規分子の特定と予防・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K11177
研究機関名古屋大学

研究代表者

曽根 三千彦  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30273238)

研究分担者 加藤 昌志  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10281073)
大神 信孝  名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80424919)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードラセン神経節 / 内耳 / 難聴 / 有毛細胞
研究実績の概要

【背景】先天性難聴は1/1,000の割合で生まれる最も多い先天性障害である。人工内耳植込術は聴覚獲得の有効な手段であるが、ラセン神経節細胞が保たれていなければ有効性が低い。一方、分子Gは神経成長・遊走因子として、近年、世界的に注目されているアクチン結合分子である。
【目的】本研究は、分子Gが先天性難聴を誘発する機構を動物で解明し、先天性難聴の予知・予防・治療の開発に結びつける。
【結果】昨年度の聴性脳幹反応(ABR)測定より、まだ例数は限られているが、分子G欠損ホモマウスは4, 20, 32 kHzのABR閾値が野生型と比較して40-50 dBの差を示した。今年度は分子G欠損ホモマウスのABR測定を再度実施し、野生型マウスと比較してABR閾値が有意に上昇する事を確定できた。一方、分子G欠損ヘテロマウスのABR測定も実施したが、野生型マウスと比較して有意な差は示さなかった。昨年度に分子G 欠損ホモマウスの内耳コルチ器の有毛細胞をtetranitro blue tetrazolium(TNBT)を用いて染色し、頂回転付近でTNBT陽性の内有毛細胞と外有毛細胞の部分的な欠落が観察された事から、中回転付近の有毛細胞のTNBT染色も実施した。その結果、分子G 欠損ホモマウスでは、中回転付近でも内有毛細胞の部分的な欠落が観察された。
【今後の検討課題】分子G欠損ホモマウスの外有毛細胞の欠落が観察されている事から、歪成分耳音響放射(DPOAE)測定を実施する。また、分子G欠損ホモマウスと野生型マウスの内耳コルチ器を用いた器官培養系にて、分子Gがラセン神経節の成長に重要かどうか検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分子G欠損マウスが先天性難聴を示す結果が得られており、おおむね計画通りに進行しているが、分子メカニズムを解析していくにはホモ欠損マウスの出生率を上げる必要がある。

今後の研究の推進方策

に例数を増やしてABRやDPOAE測定を進めると共に、コルチ器の器官培養系にて、分子Gが関与する先天性難聴の発症メカニズムを解析する。

次年度使用額が生じた理由

分子G欠損ホモ欠損マウスの出生率を上げるために、実験動物の維持費につぎ込むこと。また同マウスの外有毛細胞の欠落を歪成分耳音響放射(DPOAE)測定にて確認し、分子Gがラセン神経節の成長の意義を器官培養系で評価する必要がある。

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公開日: 2018-12-17  

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