真珠腫の病態解明に関する研究は、これまでほとんどが術中に採取した真珠腫の検体から組織標本を作製し、標本内における各種サイトカインや増殖因子等の発現について検討する手法が主体であった。真珠腫上皮細胞を組織として構築し、各種サイトカインやケミカルメディーターを作用させてその反応をみた研究は今までに存在しない。そのため、本研究の成功は真珠腫の病態解明を行ううえで、in vitroで真珠腫の組織的な反応を捉えることが可能となり、研究のバリエーションが大きく広がる。結果としては不十分な内容で終了したが、今後も本研究を継続し、真珠腫の研究に貢献する所存である。
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