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2016 年度 実施状況報告書

独立した疾患としてのIgG4関連慢性鼻副鼻腔炎の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K11217
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

野中 学  東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (70271351)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードIgG4関連疾患 / 慢性鼻副鼻腔炎
研究実績の概要

IgG4 関連疾患(IgG4-RD)は種々の疾患を全身に来すことが知られている。
IgG4-RDには慢性鼻副鼻腔炎 (CRS) を高率に合併することが知られているが、そのCRSがIgG4-RDと同じ病態によって形成されているのか明らかでない。我々は、IgG4-RDに伴うCRSとその他のCRSの篩骨洞粘膜において、IgG4-RDの病態形成に重要といわれている免疫グロブリンクラススイッチ関連分子であるAID、Treg及び免疫担当細胞に関して、差異があるか免疫組織化学的に検討した。
対象は2009年3月16日から2016年1月7日に当科で内視鏡下副鼻腔手術を行ったCRS患者30例とし、以下の4群に分類した。A群;IgG4-RDに伴うCRS (n=6)、B群;血清IgG4値、IgE値が正常であるCRS (n=12)、C群;血清IgG4値正常、IgE高値のCRS (n=8)、D群;血清IgG4高値、IgE高値でIgG4-RDのないCRS (n=4)。これらの各群におけるAID陽性細胞数、Treg の転写因子であるFoxp3陽性細胞及び各血球細胞数を比較した。
その結果、IgG4-RDに伴うCRSの篩骨洞粘膜において、AID陽性細胞、Foxp3陽性細胞、CD20陽性細胞が有意に増加していることがわかった。
従って、IgG4-RDに伴うCRSの副鼻腔粘膜において増加したCD20陽性細胞が、AID及びTregの産生するサイトカインにより免疫グロブリン産生をIgG4へ誘導することで、副鼻腔粘膜でIgG4陽性細胞が増加している可能性が推測された。これらのことより、IgG4-RDに伴うCRSは、IgG4-RDと同じ病態により形成されていると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予想したように、IgG4関連疾患に伴う慢性鼻副鼻腔炎は、IgG4関連疾患と同じIgG4を誘導する因子の発現亢進が認められる。

今後の研究の推進方策

さらにIgG4を誘導する因子を追求する。

次年度使用額が生じた理由

一部の誘導因子の実験が上手く行かなかったため。

次年度使用額の使用計画

上手くいかなかった実験を行う。

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公開日: 2018-01-16  

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