研究課題/領域番号 |
16K11218
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
太田 康 東邦大学, 医学部, 准教授 (40251285)
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研究分担者 |
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10130345)
鈴木 光也 東邦大学, 医学部, 教授 (50302724)
池宮城 慶寛 東邦大学, 医学部, 助教 (50439931) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自己抗体 / IgG4 / ミクリッツ病 / 細胞間隙 |
研究実績の概要 |
2013年7月から2017年6月までに診断・治療を行ったミクリッツ病症例は8例であり、そのうち慢性副鼻腔炎を合併したのは3例であった。2例は好酸球性副鼻腔炎の合併であり、血中の好酸球が高値であった。3例とも鼻内視鏡下鼻副鼻腔手術と顎下腺生検術を施行し、採取した副鼻腔粘膜組織と顎下腺組織において抗IgG4抗体による免疫染色を行った。3例とも副鼻腔粘膜組織、顎下腺組織に著明なIgG4陽性細胞の浸潤を認め、両組織における慢性炎症は、IgG4が関与した同様な機序が考えられた。また、副鼻腔粘膜において、一部の粘膜上皮細胞の細胞間隙にIgG4の染色を認めた。そのうちの1例の血清では、デスモグレイン3に対する抗体値が高値を示した。この症例のIgG4のデスモグレイン3に対する反応をエライザー法で調べたところ、対照症例に対して有意に高値を示し、この症例においてはIgG4がデスモグレイン3に対する自己抗体であることが証明された。ミクリッツ病における副鼻腔、顎下腺における難治性の慢性炎症には、自己免疫が関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IgG4関連ミクリッツ病に合併する慢性副鼻腔炎が、副鼻腔粘膜上皮の細胞間隙物質を自己抗原とする自己抗体IgG4であることは突き止めたが、自己抗原そのものが突き止められていない。
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今後の研究の推進方策 |
IgG4に関連する慢性鼻副鼻腔炎の自己抗体IgG4の自己抗原をエライザーなどを用いて同定する。自己抗原は一つだけではなく、いくつか存在すると考えられる。 難治性慢性鼻副鼻腔炎の動物モデルを作成していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より試薬の購入価格が安かった。 新たな薬品購入、学会参加のための旅費、論文作成費用に使用する予定である。
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