本研究では高分子ナノDDSにステルス性、血中安定性、腫瘍選択性、腫瘍浸透性などの機能を複合的に賦与し、生体内動態を多角的・総合的に評価することによりそれぞれの分子修飾を最適化する。研究計画に基づき、2016年度は血中滞留性評価、肝退社と腎排泄について評価し外殻を構成する最適なPEG鎖長を分子量12000と決定した。舌がん頸部リンパ節転移モデルマウス(SAS-L1:ヒト舌癌リンパ節転移細胞株)および難治性癌モデルマウス(HSC-2:ヒト舌癌細胞株)も安定して作成出来るようになった。2017年度はαvβ3およびαvβ5インテグリンに特異的に結合するcRGDリガンドをナノDDS表面に搭載した。ナノDDS表面へのリガンド搭載率を最適化するために、IVIS発光蛍光イメージングシステムや生体リアルタイム共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いて高分子ナノDDSの腫瘍内動態評価を行った。研究計画に従い、2019年度はリガンド搭載率をパラメーターとして、高分子ナノDDSの腫瘍集積および転移リンパ節集積を評価した。
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