本研究では高分子ナノDDSに様々な機能を賦与し、生体内動態を評価することにより分子修飾を最適化する。ナノDDSの抗腫瘍効果の評価のために舌癌細胞株および口腔癌細胞株を用いた。血中滞留性評価に基づき、外殻を構成する最適なPEG鎖長を分子量12000と決定した。標的指向分子であるcRGDをナノDDS表面に搭載し、その搭載率を最適化し20%と決定した。IVIS発光蛍光イメージングシステムや生体リアルタイム共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いて高分子ナノDDSの腫瘍内動態評価を行った。cRGD搭載ナノDDSが腫瘍や転移リンパ節への集積を向上させ、抗腫瘍効果とモデルマウスの生存率を改善することを確認した。
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