研究課題/領域番号 |
16K11235
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安松 隆治 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00444787)
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研究分担者 |
中島 寅彦 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00284505) [辞退]
中野 貴史 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20770100)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 鼻・副鼻腔腫瘍 / SCC抗原 / 腫瘍マーカー |
研究実績の概要 |
鼻・副鼻腔乳頭腫症例、癌合併乳頭腫症例における組織内遺伝子解析を行い、鼻・副鼻腔乳頭腫発生における乳頭腫ウイルスの関与 、癌化メカニズムを解明し、またSCC 抗原の構成タンパクであるSCCA1、SCCA2の組織内発現、血清値を解析し、腫瘍マーカーとして の有用性を検討することが本研究の目的である。初年度は、学内倫理委員会の承認が得られたため、臨床サンプル(血液、組織)を用いてSCCA1、SCCA2の発現解析を行った。その結果、鼻・副鼻腔乳頭腫症例と癌合併乳頭腫症例とではSCCA1、SCCA2の発現量は明らかに異なっていた。乳頭腫症例では組織内SCCA1発現量が有意に高いのに対して、癌合併乳頭腫、上顎洞癌へと移行していくのに伴い、SCCA1発現量は減少し、逆に組織内SCCA2発現量が増加する傾向が認められた。血清サンプルを用いた解析においても同様の傾向が確認できたためカットオフ値を設定し、症例数を増やした上でカットオフ値の妥当性を検証している。 30年度は、乳頭腫症例、癌合併乳頭腫、上顎洞癌症例で、SCCA1、SCCA2の発現に関わる分子メカニズムや癌化に関わる遺伝子を同定するための網羅的解析に着手する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床サンプル(血液、組織)を用いたSCCA1,SCCA2,SCC抗原の発現解析は終了し、現在マイクロアレイを用いて鼻・副鼻腔乳頭腫が癌化を来す上で重要な役割を担っていると思われる遺伝子の同定を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進捗しており、最終年度でSCCA1、SCCA2の発現に関わる分子メカニズムの解明や癌化に関わる原因遺伝子の特定に至りたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬品の購入のための費用が今年度予定よりもやや少なかったが、次年度は繰り越し分含めて使用予定である。
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