研究課題/領域番号 |
16K11240
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐野 大佑 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10620990)
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研究分担者 |
折舘 伸彦 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90312355)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 頭頸部癌 / 頸部リンパ節転移 / FOSL1 / microRNA |
研究実績の概要 |
頭頸部癌は高頻度に頸部リンパ節転移病変を有し,その制御が困難であるため予後不良である。申請者はこれまでに頭頸部癌の頸部リンパ節転移関連候補遺伝子としてAP-1遺伝子群を同定し,その転移における役割について研究を進めてきた。本研究では,それらAP-1遺伝子群に関連するmiRNAの機能解析を通して,miRNAの頭頸部癌における頸部リンパ節転移の進展に果たす役割を明らかにすることを目的としている。 AP-1遺伝子群の中でも,解析が不十分であったFOSL1の頭頸部癌頸部リンパ節転移の機序解明にまず取り組んだ。FOSL1発現をknockdownさせて細胞株を作製し,FOSL1 knockdown細胞株がコントロール株と比較して浸潤能,遊走能を低下させ,同所性動物モデルにおいて頸部転移を抑制することを同定した。 頭頸部癌の中でも,遺伝子変異の比較的少ないにもかかわらず,頸部リンパ節転移を高頻度に認める,HPV関連中咽頭癌におけるmiRNA発現のmicroarray analysisと,同結果をもとに行った複数のバイオインフォマティックスアルゴニズムを用いて,頸部リンパ節転移を調節する候補miRNAの絞り込みを行っている段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭頸部癌頸部リンパ節転移機構におけるFOSL1の機能解析に時間を要した。またHPV関連中咽頭癌におけるバイオインフォマティックスアルゴニズムを用いての解析にも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今までの解析により,AP-1遺伝子群のなかでも,頭頸部癌頸部リンパ節転移により関わると判明したFOSL1に関連するmiRNAを,HPV関連中咽頭癌におけるバイオインフォマティックスアルゴニズムを用いての解析も加味して絞り込みを行い,FOSL1発現を調整する,あるいはFOSL1に制御され,頸部転移に直接関与すると思われるmiRNAを同定し,そのin vitro,in vivoでの機能解析を行う。さらに同定したmiRNAの発現検証を臨床検体で行い,その予後と対比することで,頭頸部癌における予後予測因子として,術後再発のマーカーとして有効であるかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:平成29年度に行う予定であった実験のための物品費分を使用しなかったため,平成30年度使用額が生じた。 使用計画:次年度使用額は平成29年度に行う予定であった実験を平成30年度に行うための物品費用にあてる。
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