本研究より次の成果を得た。1) Flt-4発現頭頸部癌細胞にVEGF-Cの癌細胞自身に対するautocrine機構が存在し,CNTN-1およびVEGF-Cの発現亢進による細胞増殖能・遊走能の制御を介して頸部リンパ節転移を含めた癌の進行に寄与していると考えられた。2) 咽頭癌細胞において,Cox2のみならずその下流のEP2の選択的阻害が細胞増殖能・遊走能の抑制を導くEMTの反転(即ちMETの誘導)を介した抗腫瘍効果を発揮する可能性が示唆された。3) 咽頭癌細胞において,HIF-1αの選択的阻害は幹細胞能およびEMTの抑制を介した抗腫瘍効果を有する可能性が示唆された。
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