研究課題
頭頸部癌の最大の予後因子である転移リンパ節の制御にリンパ管を利用したlymphatic chemotherapyにより低侵襲な治療の確立を試みてきた。頭頸部扁平上皮癌の特性は95%以上にEGFR(epidermal growth factor receptor)を持つので抗EGFR抗体を利用したリンパ管化学療法は 効率的にリンパ管経由で転移リンパ節に移動し、転移リンパ節と強固に結合し抗癌作用を発揮するDrug Delivery System(DDS)を可視化することで検証可能となった。リンパ管経由のDDSの確定のため抗EGFR抗体-IRDye800CW蛍光剤抱合体を作成した。抗EGFR抗体 とIRDye800CWを2 時間 攪拌し、調整した。最適化までには至っていないが、使用できる程度には至っている。抗がん剤やインドシアニングリーン(ICG)蛍光法の欠点は分子量が小さく腫瘍内への滞留性が少ない欠点があるが、本研究のような抗原―抗体反応による強固な化学反応では滞留性と治療効果の持続性が期待される。臨床研究では本研究による「舌癌の集学的治療」が頭頸部癌のトピックスとして日本頭頸部癌学会のシンポジウムに採択され発表した。また、海外の一流誌であるSpringer Nature誌にこれまでの研究の集大成となるリンパ管経由の治療を頭頸部領域で報告し、治療法を分かりやすく説明するためにビデオよる可視化にした。また、口腔がんでの研究から喉頭癌や咽頭がんに至る頭頸部癌でリンパ管を利用した低侵襲的治療を試みた研究がHead Neck誌に掲載され、少しずつ成果が出てきており今後の研究が期待される。
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