研究課題/領域番号 |
16K11248
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大上 研二 東海大学, 医学部, 教授 (90223734)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 多能性幹細胞 / 神経ネットワーク / サイトカイン |
研究実績の概要 |
神経切断モデル実験動物を作成し,人工神経管および神経のセグメントを移植し,末梢端あるいは中枢端からの神経の伸長を経過観察している.正常マウスとGFPマウスにおいて右坐骨神経を3-4mm切除して坐骨神経切除マウスを作成した.それぞれ切除した坐骨神経は人工神経管(リナーブ、内径1mm, ニプロ)の中心に挿入して坐骨神経切除マウスに移植するが,このとき正常マウスのグラフトの入った人工神経管はGFPマウスに,GFPグラフトの入った人工神経管は正常マウスに移植する,クロスグラフティングモデルを作成した.
それぞれにサイトカイン注入群、非注入群を作成し、神経再生機序を組織学的評価において比較検討する(図1)。この人工神経管は、生体可溶性であるが、分解には約8週間を要することから、吸着させたサイトカインの持続的徐放効果、及び経皮的再注入効果も期待できる。各種サイトカインの混合培養上清を注入することによる神経再生への影響を評価した.神経再生に最も適切な「神経再生促進カクテル」を使用し,組織学的効果,運動生理学的効果を評価している.これらの効果を証明できれば臨床応用に直結する効果が期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル実験系及び多能性幹細胞の培養系は確立されている.サイトカインの同定と機能解析は順調に進み,モデル実験動物に対する投与とそれによる神経伸長,再生の分子生物学的解析や機能解析を進めている.正常マウスのグラフトの入った人工神経管をGFPマウスに,GFPグラフトの入った人工神経管を正常マウスに移植するクロスグラフティングモデルを作成した. 光学顕微鏡,電子顕微鏡により組織学的効果を評価した上で,神経系,脈管系の再生については免疫組織学的手法により証明した.神経生理学的な効果を評価して最終的に公表,論文化する過程である.
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今後の研究の推進方策 |
神経生理学的な効果について追加実験を行い,公表,論文化する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究の進展に伴い運動生理学的な評価において新たな知見が得られ,評価方法の変更を行うために研究計画の変更が必要となった. (使用計画)次年度の実験で運動生理学的な評価をより精度の高いものとしていく予定である,
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