研究課題/領域番号 |
16K11250
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
千年 俊一 久留米大学, 医学部, 准教授 (20299514)
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研究分担者 |
進 保朗 久留米大学, 医学部, 助教 (40569357)
深堀 光緒子 久留米大学, 医学部, 助教 (50529310)
梅野 博仁 久留米大学, 医学部, 教授 (40203583)
佐藤 公則 久留米大学, 医学部, 客員教授 (70196228)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 食道入口部 / 高解像度マノメトリー / 三次元画像 |
研究実績の概要 |
研究対象を脳血管障害や神経筋疾患などの疾患の既往がない若年成人17例(男性10名、女性7名)とした。平均年齢は27.9歳で、BMIが22.0kg/m2であった。研究対象に、8ch同軸ユニチップ圧力トランスデューサーを全周に搭載した特注の圧力センサーカテーテル(外径12Fr)、自動引き抜き器、解析ソフトによって構成される3D-高解像度マノメトリー(HRM)システムを用いて測定を行った。食道入口部(UES)静止圧の測定は、カテーテルを経鼻的に挿入したのち1mm/秒の速度で引き抜き、UESの全長および全周の圧力を測定した。検査時のタスクに安静呼吸、息止め、バルサルバを指示した。検討項目として、1.機能的UES長(mm)、2.UES平均圧(mmHg)、3.UES運動量(mmHg・sec)を計測し、圧密度の高い複数の領域を選別し比較した。取得した健常者のUES静止圧データの解析結果をもとに、基準となる正常圧波形を設定した。結果、3D波形は全例apple core型を示した。圧力分布は主に2峰性であり、食道入口部の後壁正中に長軸方向に最も強く集積した。輪状咽頭筋による平均圧分布は輪状後部に比べて上方に位置していた。ここまでの小括として、誤差の生じやすい嚥下運動時のUES圧変化の解析に比べて、新たに開発した3D-HRMによるUES静止圧の解析は安定性があり、本研究の継続によって嚥下障害例への治療効果、手術適応への応用が可能と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者ボランティア(コントロール)の参加、使用する機器の準備が順調に行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集したコントロールデータに加えて、内視鏡下輪状咽頭筋切除術を施行する食道入口部機能不全(患者)のデータを集積し、治療効果をスコア化し、術前のUES静止圧データとの相関関係を統計的に解析する。また術前後のUES静止圧データを比較分析し、手術効果に影響を及ぼす因子を抽出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に使用する予定であった国際学会参加費用と英文校閲など学術論文作成のための費用を次年度に使用するため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会参加費用と英文校閲など学術論文作成のための費用として使用する。
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