研究実績の概要 |
1)緑内障患者(無治療・正常眼圧緑内障)の日内変動パターンの解析 緑内障患者の眼圧日内変動パターンの解析のために、無治療の原発開放隅角緑内障(広義) 患者(高眼圧症含む)17例17眼に対して、コンタクトレンズセンサー(CLS, Triggerfish, Sensimed 社)を24時間装着して電位変動(mvEq)を測定した。CLS装着前眼圧は、14.6±3.1mmHg(10~22mmHg)であった。CLSの電位変動のamplitudeは、110.0±46.2mvEq、acrophaseは、22時から4時にみられた。acrophaseが2時以前にみられた9例と2時以降にみられた8例では、ハンフリー視野のMD値がそれぞれ-3.3±1.2dB、-9.7±4.0dBであり、視野の悪い眼では有意にacrophaseが遅かった(p=0.002,t検定)。装着から21時までの電位変動幅は、中心角膜厚と有意な負の相関(r=-0.714, p=0.002)があった。一方、21時から取り外しまでの電位変動幅は、前日の眼圧日内変動幅(9時から24時)と有意な正の相関を示した(r=0.668, p=0.005)。今後、症例数をさらに増やして、これらの新しい知見の確証を得る必要がある。 2)時計遺伝子群の遺伝子多型の解析 時計遺伝子の遺伝子多型(SNP)と眼圧日内変動との関連を調べるために、BMAL1(5か所; rs2290035, rs6486121, rs3789327, rs969485, rs11022775)、CLOCK(2か所; rs1801260, rs4580704)、PER1(3か所; rs2735611, rs885747, rs228959)、PER2(3か所; rs2304672, rs7602358, rs934945)、PER3(2か所; rs10462020, rs228697)、CRY1(1か所; rs2287161)、CRY2(1か所; rs10838524)のSNPのタイピング法を確立した。
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