研究実績の概要 |
1)緑内障患者(無治療・正常眼圧緑内障)の日内変動パターンの解析 緑内障患者の眼圧日内変動パターンの解析のために、無治療の原発開放隅角緑内障(広義)患者(高眼圧症含む)33例33眼に対して、コンタクトレンズセンサー(CLS, Triggerfish, Sensimed 社)を24時間装着して電位変動(mvEq)を測定した。2016年度と併せて50例50眼のうち、43眼が解析可能であった。対照眼についてCLS測定前日の眼圧日内変動測定(3時間毎、午前9時~午後12時まで)の6つの眼圧値のうちの1つとCLSの全測定値を用いて、眼圧が20 mmHgを超えるかどうかについての予測可能性を評価した。眼圧変動幅を5mmHgと仮定し、CLSの変動幅に対応させ(変動幅100%=5 mmHg)、当該時刻でのCLS値を%で表示し、当該時刻での眼圧値からCLSが100%(CLSのピーク値)となる眼圧値と20 mmHgとを比較した。その結果、午後3時での眼圧値では、感度100%、特異度95%と良好な結果であった。
2)時計遺伝子群の遺伝子多型の解析 時計遺伝子の遺伝子多型(SNP)と眼圧日内変動との関連を調べるために、BMAL1(5か所; rs2290035, rs6486121, rs3789327, rs969485, rs11022775)、CLOCK(2か所; rs1801260, rs4580704)、PER1(3か所; rs2735611, rs885747, rs228959)、PER2(3か所; rs2304672, rs7602358, rs934945)、PER3(2か所; rs10462020, rs228697)、CRY1(1か所; rs2287161)、CRY2(1か所; rs10838524)のSNPのタイピングを行った。17例において上記17SNPのタイピングを終了した。PER1のrs2289591はすべてmajor homoであり、non-informativeであった。他の16SNPのminor allele frequency(MAF)は、global MAFと比較して0.3以上異なったものが3つ(rs6486121、rs4580704、rs2287161)あった。
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