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2019 年度 実施状況報告書

HTLV-1関連眼疾患の診断法確立のための臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K11268
研究機関鹿児島大学

研究代表者

中尾 久美子  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30217658)

研究分担者 久保田 龍二  鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (70336337)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードHTLV-1 / uveitis / adult T cell leukemia / HAM/TSP
研究実績の概要

成人T細胞白血病(ATL)の血中で上昇し、病勢を反映する指標となる可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)をATL患者の眼内液で測定し、ATL眼内浸潤を診断する指標となるかを検討した。ATL7例の血清および前房水・硝子体液のsIL-2RをCLEIA法で測定した。ATL7例にみられた眼疾患はサイトメガロウイルス網膜炎1眼、急性網膜壊死1眼、ATL細胞眼内浸潤5眼(うち2眼は眼トキソプラズマ症を併発)であった。血清のsIL-2Rは585~46900 U/mlで、全例で基準値(188-570 U/ml)を超えていた。眼内液のsIL-2Rは、前房や硝子体に細胞のみられなかったサイトメガロウイルス網膜炎1眼の前房水とATL脈絡膜浸潤1眼の前房水では基準値以下であったが、急性網膜壊死1眼とATL眼内浸潤5眼(前房内浸潤、網膜浸潤、硝子体浸潤浸潤)の前房水または硝子体液では2490-24800 U/mlと基準値を超えていた。このうちATL眼内浸潤の4眼では、血清より眼内液のsIL-2Rが高値であった。前房内浸潤の1眼では放射線治療後に前房水のsIL-2Rが正常値となり、血清値より低くなったことが確認された。これらの結果から、眼内液のsIL-2RはATL眼内浸潤では血清より高値となり、診断の指標になる可能性があるが、前房や硝子体に細胞がみられない脈絡膜浸潤では高値を示さない可能性があること、日和見感染による感染性内眼炎でも高値を示すことに注意する必要があることが示唆された。
ATL眼内浸潤診断における眼内液sIL-2Rの有用性についてさらに検討するため、ATLを発症していないHTLV-1キャリアや非キャリアの眼内液のsIL-2R測定を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和元年度も対象となる症例が少なかった上に同意を得ることができず、検体収集が思うように進んでいない。

今後の研究の推進方策

引き続きぶどう膜炎を含む種々の眼疾患を発症しているHTLV-1キャリア、HAM、ATL症例で眼内液や血液の収集に努める。 これまでに鹿児島大学眼科に保存されている試料を使って研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

対象となる検体が集まらず、検査に使用した物品が予定より少なくなったため次年度使用額が生じた。翌年度の検査のための物品費として使用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] HAM 患者 HTLV-1 感染細胞のマイクロアレイ解析による治療標的分子の探索2019

    • 著者名/発表者名
      久保田 龍二、田中 正和、春口 志門、児玉 大介、松浦 英治、高嶋 博
    • 学会等名
      第6回日本HTLV-1学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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