①OCTAによる脈絡膜血流評価に影響を与える因子の検討 正常眼での脈絡膜血流描出に関しては、脈絡膜毛細血管板による脈絡膜間質に対するプロジェクションアーチファクト を除去する方法を開発し、英文誌に報告した(Sci Rep 2018)。また、描出された血流は脈絡膜厚に相関していたことから、脈絡膜血流は脈絡膜厚を規定する一つの要素であると考えられる。一方、脈絡膜肥厚がある中心性漿液性脈絡網膜症でも同様に描出できるかを検討した。その結果64%では正常眼同様描出可能であった。描出できない症例は有意に脈絡膜が厚く、網膜色素上皮および脈絡膜自体における光減衰がその描出力に関与していると考えられた。 ②脈絡膜血流の検査における信頼性の検討 OCTAによる脈絡膜血流評価の信頼性を担保する目的でenfaceOCTAで脈絡膜血管腔密度を算出した。結果によると正常眼49.4%であったのに対して中心性漿液性脈絡網膜症では61.6%と有意に高かった(Retina 2019)。これはOCTAでの結果と類似していることからOCTAおよびenface OCTによる脈絡膜血管描出に関しては相関があることが示された。 ③正常眼および黄斑疾患眼において各種負荷試験を行う 市販のホットアイマスクを使い通常使用後の網膜脈絡膜厚および血流変化を評価した、加温後脈絡膜血流が減少する結果が得られた。また飲水試験による変化についても検討し、わずかながら血流が増加することを報告した。これに関しては雑誌投稿中である。
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