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2017 年度 実施状況報告書

太陽光被ばく指標としての初期瞼裂斑による近視発症リスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K11278
研究機関金沢医科大学

研究代表者

佐々木 洋  金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)

研究分担者 初坂 奈津子  金沢医科大学, 医学部, 助教 (50505352)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード疫学研究 / 紫外線被ばく / 眼瞼斑 / 近視
研究実績の概要

前年度に行った石川県星稜大学スポーツ学科に所属する大学生223名の眼科検診の結果を検討した。瞼裂斑は紫外線蛍光撮影(ultraviolet fluorescence photography:UVFP)により初期の瞼裂斑を検出し、瞼裂斑面積IOLマスター(ツァイス)による角膜黄経を10等分した格子により算出した。小学生から現在までの戸外活動時間およびアイテム(眼鏡、UVカット無CL(CL)、UVカット有CL(UVCL))の使用については問診とアンケートにより聴取し、個人の眼部紫外線被ばく量を推定した。屋外対象者の瞼裂斑有病率は耳側69.5%、鼻側70.7%と屋内の耳側37.5%、鼻側48.2%に比べて有意に高かった(p<0.01)。屋外対象者の5年以上のアイテム使用者の有病率は眼鏡使用(45.5%)とUVCL使用(58.6%)は裸眼(76.1%)に比べて有意に低くなった(p<0.05)が、CL使用(79.3%)は裸眼と差はなかった。鼻側面積は裸眼10.5±6.0mm2、眼鏡使用7.8±4.9mm2、UVCL使用7.6±4.7mm2、CL使用9.04±5.7mm2でありUVCL使用者のみ裸眼に比べて有意に小さく(p<0.05)、眼鏡およびUVCLの長期使用により瞼裂斑発症を予防できる可能性が示唆された。さらに眼部紫外線被ばく量の指標としての瞼裂斑と近視との関係について検討し、平均屈折値は瞼裂斑陽性群(-1.87±1.98D)、陰性群(-2.68±2.67D)であった(p<0.05)。
今年度は紫外線の強い沖縄県西表島の小学生163名を対象に眼科検診を行い、紫外線被ばく量としての瞼裂斑の調査および近視発症との関係を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スポーツを中心に活動している星稜大学スポーツ学科の学生223名の調査の結果をまとめて、昨年度の日本臨床眼科学会で発表を行った。さらに眼部紫外線被ばく量の指標としての瞼裂斑と近視発症との関係をロジスティック回帰分析を用いて検討し、学会発表する予定である。
6月と11月には日本で一番紫外線量が高い沖縄県西表島へ行き、小学生163名の調査を行った。石川県の小学生の初期瞼裂斑有病率と比べると、西表島の小学生の有病率は有意に高いことが分かった。今後は近視の影響等を検討する予定である。H30年度には沖縄県石垣島での小中学生の調査を予定している。

今後の研究の推進方策

今年度行った西表島小学生のデータ解析を行い、紫外線被ばくと瞼裂斑との関係および近視発症との関係を検討する。H30年11月には沖縄県石垣島で調査を行い、小中学生約700名の検診を行う予定である。
前年度行った星稜大学生のデータの比較として、金沢医科大学生の調査を行っており、データが集まり次第解析を行い比較検討を行う。
現在までに収集した莫大な瞼裂斑のデータを再解析し、瞼裂斑の判定を医師の主観ではなく数値化し客観的な評価にするための検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

検診結果の莫大なデータの解析のため、研究補助員の人件費が必要である。本調査の眼科検査に必要な物品を購入費にも使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 眼鏡および紫外線カットコンタクトレンズによる瞼裂斑予防効果2017

    • 著者名/発表者名
      初坂奈津子、宮下久範、石田秀俊、國正 茜、三田哲大、関 祐介谷村直紀、久保江理、佐々木洋、
    • 学会等名
      第71回日本臨床眼科学会

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公開日: 2018-12-17  

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