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2018 年度 実績報告書

太陽光被ばく指標としての初期瞼裂斑による近視発症リスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K11278
研究機関金沢医科大学

研究代表者

佐々木 洋  金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)

研究分担者 初坂 奈津子  金沢医科大学, 医学部, 助教 (50505352)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード疫学研究 / 紫外線被ばく / 瞼裂斑 / 近視
研究実績の概要

沖縄県西表島の小学生163名の瞼裂斑の調査結果をもとに、UVFPの画像解析により虹彩部を基準とした瞼裂斑の照度比率を検出した。小児が対象となるため、肉眼判定では検出が難しい症例も多い中、比率1.4を基準としそれ以上を瞼裂斑有とすることで、一定の評価が可能となった。発症リスクは、1歳ごとに2.36倍(1.75-3.18, p<0.001)、女児に対して男児が3.39倍(1.32-8.70, p=0.011)であった。
さらに石川県493名、台湾396名、タンザニア108名の小学生の調査結果を再解析し、UV被ばく量としての初期瞼裂斑の比較および近視発症との関係を検討した。UV強度は石川県を基準に、西表島と台北が約1.6倍、タンザニアが2.1倍となる。年齢調整した有病率は、内灘の1.8%に比べ西表島が30.7%、タンザニアが91.0%と有意に高かったが(p<0.01)、台北は4.3%と有意差は認められなかった。ロジスティック回帰分析による年齢・性別を考慮した初期瞼裂斑発症リスクは、内灘に比べ台北が3.4倍、西表島が47.4倍、タンザニアが1242倍となった。一方で眼屈折度数は台北で-1.17±1.68Dと近視傾向がみられるのに対し、西表島では-0.26±1.27D、タンザニアでは0.33±0.97Dであり、台北は2地域に比べ有意に近視度数が強いことが明らかになった。これらの結果から、UV強度が強い地域では小児の初期瞼裂斑有病率は高くなるが、都市部である台北では屋内での活動時間が多くなるため、眼部被ばく量は少なく、有病率も低くなったと考えられる。初期瞼裂斑と近視発症との関係について人種を考慮せずロジスティック回帰分析により検討した結果、初期瞼裂斑の有無に対するリスクは、屈折度数が1D遠視になるにつれて2.47倍(1.74-3.49, p<0.001)となり、眼部UV被ばく量の指標である初期瞼裂斑が見られる児童では近視のリスクが低くなる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 疫学研究入門2018

    • 著者名/発表者名
      初坂奈津子
    • 雑誌名

      日本白内障学会誌

      巻: 30 ページ: 80-82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] スポーツにおける紫外線の影響について2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木洋
    • 雑誌名

      クオリスタ スポーツ眼科

      巻: 58 ページ: 32-36

  • [学会発表] 疫学研究入門2018

    • 著者名/発表者名
      初坂奈津子
    • 学会等名
      第33回JSCRS学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 紫外線強度の異なる地域における小児の初期瞼裂斑有病率2018

    • 著者名/発表者名
      柴田伸亮、初坂奈津子、宮下久範、鵜飼祐輝、関 祐介、柴田哲平、柴田奈央子、久保江理、佐々木洋
    • 学会等名
      第72回日本臨床眼科学会
  • [学会発表] 大学生における瞼裂斑有病率と眼屈折の関係2018

    • 著者名/発表者名
      初坂奈津子、柴田伸亮、柴田奈央子、宮下久範、谷村直紀、石田秀俊、國正 茜、久保江理、佐々木洋
    • 学会等名
      第72回日本臨床眼科学会

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公開日: 2019-12-27  

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