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2016 年度 実施状況報告書

網膜剥離に対するαBクリスタリンの視細胞保護効果

研究課題

研究課題/領域番号 16K11280
研究機関千葉大学

研究代表者

馬場 隆之  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00361725)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード視細胞保護
研究実績の概要

平成28年度は、ラットにおける実験的網膜剥離の作成のテクニックの習得と、網膜剥離モデルの解析手法の確立を行った。実験的網膜剥離はBrown-Norwayラットを用いて、腹腔内麻酔および点眼麻酔を行った後に、結膜、強膜、脈絡膜および網膜色素上皮切開を行い、ヒアルロン酸ナトリウムを網膜下へ30G鈍針にて注入し、眼底半分に広がる網膜剥離を作成した。この網膜剥離は、作成後1日、3日、7日、14日、および28日にわたり存在していた。前眼部組織を除去後、網膜剥離が存在する部分と、存在しない部分を含むように眼球を2分割し凍結切片を作成した。TUNEL染色による視細胞死の割合は、剥離1日(0.8-2.7%)、剥離3日(2.4-3.6%)、剥離7日(0.8-2.3%)、剥離14日(0.2%)、剥離28日(0.5%)であった。このことから、この網膜剥離モデルでは剥離3-7日が視細胞死のピークとなることがわかった。今後、αBクリスタリンの網膜保護効果を見るタイミングとしては、網膜剥離作成後3日を採用することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特に初年度として研究の進捗状況に影響を及ぼすようなことは生じていない。
平成28年度は網膜剥離実験モデルの確立と、網膜障害の検出方法についてTUNEL染色を用いて検討した。網膜剥離実験モデルはBrown-Norwayラットを使用して、眼外からのアプローチ方法で安定して網膜剥離を作成することができるようになった。手技的問題も大きなものはみられていない。網膜障害の評価方法の一つであるTUNEL染色も問題なく結果が得られており、概ね同様の実験系を用いた過去の報告とも矛盾しない。

今後の研究の推進方策

平成29年度以降は予定通り、クリスタリンαBが剥離網膜に対して視細胞保護効果を持つかどうかの検討を進めていく。平成28年度に確立したラット網膜剥離モデルを用いて、網膜下投与、硝子体投与について、濃度依存性に視細胞保護効果がみられるかどうか、リコンビナントのαBクリスタリンを用いて検討を行う。また、作用機序の推測のために、caspase経路、AIFシグナル経路などの関与を免疫染色などを用いて検討する。

次年度使用額が生じた理由

年度末に発注した抗体等の定価と納入価格との差額が生じたため

次年度使用額の使用計画

試薬の購入に充てる予定

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公開日: 2018-01-16  

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