研究課題/領域番号 |
16K11281
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 理恵 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70746388)
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研究分担者 |
蕪城 俊克 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00280941)
田岡 和城 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30529178)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 眼内悪性リンパ腫 / 遺伝子変異 / デジタルPCR / 遺伝子解析 |
研究実績の概要 |
昨年度までに我々は続発性眼内悪性リンパ腫の原発巣あるいは全身への再発巣の病理組織を解析し、30例中29例(97%)でリンパ腫の組織型が予後不良なactivated B cell type (ABC type)のびまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)であることを見いだした(Karakawa A, et al. Br J Haematol. 2018;183:668-671)。 ABC typeのDLBCLに関しては、脳および他臓器においてMYD88におけるc.794T>CやPIM1におけるc.550C>Tなどの遺伝子変異が高率にみられることが報告されている。本年度は、眼内悪性リンパ腫の86例について遺伝子変異の検討を行った。今回は脳中枢神経系DLBCLで既知の9つの遺伝子変異(MYD88におけるc.794T>C、c.728G>A、CD79Bにおけるc.586T>A、c.586T>C、c.587A>C、c.587A>G、BTG2におけるc.133G>A、c.142G>A、PIM1におけるc.550C>T)について、デジタルPCRを用いて解析した。その結果、眼内悪性リンパ腫86例中、MYD88に61%、CD79Bに43%、PIM1に25%、BTG2に19%の患者で遺伝子変異を認めた。眼内悪性リンパ腫は脳中枢神経系DLBCLと同様の遺伝子異常をもち、これが原因で腫瘍化している可能性が示唆された。また、硝子体手術で採取された細胞に対して、これらの遺伝子変異を検索することが、眼内悪性リンパ腫の補助診断になる可能性が示唆された。現在、論文投稿準備中である。
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