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2017 年度 実施状況報告書

P23Hノックイン網膜色素変性症モデルにおけるミトコンドリア保護治療の効果

研究課題

研究課題/領域番号 16K11298
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

鈴木 美砂  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30404966)

研究分担者 小澤 洋子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90265885)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード網膜 / ミトコンドリア / 細胞死
研究実績の概要

国内失明原因の第3位である網膜色素変性症は4000-8000人に1人が中年以降に発症する。加齢とともに徐々に進行する視野欠損により最終的に失明に至りうる。長寿社会においては進行期の患者が増え社会問題となる。遺伝子異常による変性疾患であり、治療法はない。本疾患の原因遺伝子の中で最多であるロドプシン遺伝子異常では、異常タンパクが蓄積して視細胞死を生ずると考えられている。そこで本研究では、異常タンパクの蓄積がミトコンドリア酸化ストレスを介して視細胞死を引き起こすと考え、P23Hロドプシン遺伝子改変マウスを用いてミトコンドリア保護による網膜変性抑制の効果を解析している。これにより遺伝子異常があっても網膜異常が進行しないための新規治療法の開発につなげる。P23Hロドプシン変異はロドプシンタンパクのN-末端から23番目のプロリンがヒスチジンに変わったものであり、米国で最も多く常染色体優性遺伝を呈す。アメリカの網膜色素変性の約10%を占める。一般にP23Hやその他の多くのロドプシン遺伝子異常はmisfoldingし、小胞体ストレスを引き起こして細胞内のCa2+を放出させ、ミトコンドリアの呼吸鎖に作用して酸化ストレスを生じさせることが知られる。P23Hロドプシン遺伝子改変マウスでは、進行性の網膜細胞死を呈することが報告されており、申請者らも確認済みである。本モデルマウスにおいてミトコンドリアに直接作用する抗酸化剤により網膜神経保護作用については、申請者らは細胞死をTUNELアッセイにより、網膜機能を網膜電図により解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

解析のための本マウスの飼育は、スペースに限度があるものの、ほぼ順調に進められている。本モデルマウスの表現型が経時的に明らかにされてきており、薬効を見る実験の指標が定まっている。

今後の研究の推進方策

本モデルマウスにおいてミトコンドリアに直接作用する抗酸化剤に網膜神経保護作用があるかを解析するために、効果の見られる量や投与間隔を明らかにする。細胞死をTUNELアッセイにより解析したり、網膜機能を網膜電図により解析したりする研究を進める。また、本薬剤はミトコンドリアに作用するため、本モデルマウスの網膜におけるミトコンドリアの状態や、薬剤投与時のミトコンドリアの状態について、リアルタイムPCRやATP産生等に着目して解析する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Benefits of aflibercept treatment for age-related macular degeneration patients with good best-corrected visual acuity at baseline.2017

    • 著者名/発表者名
      Minami S, Nagai N, Suzuki M, Kurihara T, Sonobe H, Kamoshita M, Uchida A, Shinoda H, Takagi H, Sonoda S, Sakamoto T, Tsubota K, Ozawa Y
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-017-18255-4.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Absolute and estimated values of macular pigment optical density in young and aged Asian participants with or without age-related macular degeneration.2017

    • 著者名/発表者名
      Ozawa Y, Shigeno Y, Nagai N, Suzuki M, Kurihara T, Minami S, Hirano E, Shinoda H, Kobayashi S, Tsubota K.
    • 雑誌名

      Send to BMC Ophthalmol

      巻: 17 ページ: 161-166

    • DOI

      10.1186/s12886-017-0557-5.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 視力良好な滲出型加齢黄斑変性におけるアフリベルセプト硝子体内注射の脈絡膜の解析.2017

    • 著者名/発表者名
      南早紀子,永井紀博,鈴木美砂,栗原俊英,内田敦郎,鴨下衛,園部秀樹,篠田肇,園田祥三,坂本泰二,坪田一男,小沢洋子
    • 学会等名
      第121回日本眼科学会総会
  • [学会発表] 糖尿病黄斑浮腫の嚢胞反射強度とラニビズマブ硝子体内注射後の網膜外層変化.2017

    • 著者名/発表者名
      永井紀博,鈴木美砂,南早紀子,栗原俊英,鴨下衛,篠田肇,坪田一男,小沢洋子.
    • 学会等名
      第121回日本眼科学会総会
  • [学会発表] 網膜中心静脈分枝閉塞症の黄斑浮腫に対するラニビズマブ投与後の視力と再発予測因子2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木美砂,永井紀博,栗原俊英,南早紀子,鴨下衛,園部秀樹,内田敦郎,篠田肇,坪田一男.
    • 学会等名
      第71回日本臨床眼科学会
  • [学会発表] 健常者の黄斑色素密度とOCT所見の相関.2017

    • 著者名/発表者名
      永井紀博,鈴木美砂,南早紀子,栗原俊英,篠田肇,坪田一男,小沢洋子.
    • 学会等名
      第71回日本臨床眼科学会
  • [学会発表] 日本人健常者のEvokeDx網膜電図所見.2017

    • 著者名/発表者名
      南早紀子,永井紀博,鈴木美砂,栗原俊英,鴨下衛,園部秀樹,篠田肇,坪田一男,小沢洋子
    • 学会等名
      第71回日本臨床眼科学会

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公開日: 2018-12-17  

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