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2018 年度 実績報告書

環境因子に着目した涙液分泌機構の解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 16K11301
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

川島 素子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (00327610)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードドライアイ / 涙液分泌 / 環境因子
研究実績の概要

最終年度は、脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor;BDNF))の遺伝子発現を抑制したマウス(BDNF STOPtetO マウス)を用いて、BDNFの遺伝子発現量と涙液分泌機構及び生理機能の変化をとらえ、その相互関係を明らかにすることを目的として実験を行った。BDNF の発現量を抑えたモデルマウスは野生型のマウスと比較して涙液量が有意に少ないことが確認された。本研究全体を通して、マウスに行動を制限し、顔に風を当てるストレス負荷を 4 時間与えたところ、涙液量が減少することを発見した。さらに、遊具を備えた広いケージで複数のマウスを一緒に飼育した「豊かな環境」(Enriched Environment)にいるとストレスによる涙液量減少が見られないこと、またストレスによって減少した涙液量は「豊かな環境」に移すことで回復が早くなることを発見した。さらにストレスを与えたときと「豊かな環境」にいるときでは、BDNFの脳における発現量に違いが見られ、ストレス負荷をした時、通常環境下では脳の BDNF 発現量が減少にするのに対し、「豊かな環境」飼育下では BDNF 発現量の減少は見られなかった。また、BDNF の発現量を抑えたモデルマウスでは涙液量が減少することを発見した。これらの結果より、環境因子によって涙液量は変化し、涙液量の分泌制御には脳の BDNF が関与している可能性が明らかになったといえる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Enriched environment alleviates stress-induced dry-eye through the BDNF axis2019

    • 著者名/発表者名
      Sano K, Kawashima M, Imada T, Suzuki T, Nakamura S, Mimura M, Tanaka KF, Tsubota K.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 9 ページ: 3422

    • DOI

      10.1038/s41598-019-39467-w

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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