7週齢のBalb/Cマウスに高脂肪食もしくは普通食を1ヶ月間連続摂取させ高脂肪食モデルを作成した。解析の1週間前より毎日アンジオテンシンII 1型受容体阻害薬である張るサルタンを腹腔内投与した。その後腹腔よりマクロファージを採取した。マクロファージ除去にはクロドロネートリポソームを使用し、解析7日および3日前に腹腔内投与した。網膜機能を網膜電図で、脾臓、脈絡膜におけるF4/80の発現、脈絡膜、腹腔内マクロファージにおけるインターロイキン1βの発現を定量PCR法で解析した。 高脂肪食を摂取したマウスより採取した腹腔マクロファージでは、普通食摂取に比しインターロイキン1βの発現が有意に上昇しており、バルサルタン投与により有意に減少した。クロドロネートリポソーム投与により脾臓、脈絡膜におけるF4/80の発現はコントロールに比しそれぞれ21%、69%と有意に減少し、マクロファージが除去された。高脂肪食摂取により低下した網膜電図のa波の振幅低下はマクロファージ除去により回復した。さらに高脂肪食による脈絡膜におけるインターロイキン1βの発現上昇もマクロファージを除去により有意に減少した。 高脂肪食による視機能低下をマクロファージが誘発し、アンジオテンシンII 1型受容体阻害薬により制御できる可能性が示唆された。
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