研究課題
本研究では、光作動性ペプチド誘導ベクターの開発を目的とした。光受容体SyPixDはシアノバクテリアのタンパク質であり、SyPixEと結合している。これが光により解離する性質を持つ。このシステムを利用し、光を用いてタンパク質、あるいはペプチドを誘導するシステムの構築を目指した。前年までの検討により、SyPixEのSyPixDに対する結合ドメインの検索を行ったが、両タンパク質の情報が少なく、Swiss modelingを用いた3次元構造では、タンパク質の結晶構造を予測できなかった。そこで、どのモデルを用いれば、ドメインが予測できるか検討を行うため、光感受性が低いことが報告されているオプトジェネティクス遺伝子、 ハロロドプシン (NpHR) を用いて、光感受性亢進のため、機能予測と実証実験を行うこととした。本年は、NpHRのモデリングとモデリングに基づくイオン輸送経路の予測を行った。Caverにより、イオン輸送経路において、輸送経路が狭くなるボトルネック現象が予測された。そこで実証実験として、このボトルネックを解消すべく、アミノ酸変異を行った。アミノ酸変異NpHRをHEK293細胞に作らせ、イオン透過量をパッチックランプ法により確認した。この結果、予測に反し、クロライドイオン透過量の減少を起こした。1つのアミノ酸変異のみで、チャネルのイオン透過量が減り、光刺激による細胞の過分極が顕著に減少したことは、このアミノ酸部位における重要性が示された。この理由を解明するため、MD simulationによる予測を行ったところ、アミノ酸変異においては、クロライドイオンのイオン輸送経路からの離脱がみられ、これが、イオン輸送量の減少を起こしたと考えれらた。今回、Swiss model、CAVER、MD simulationを用いた解析を行い、重要なアミノ酸を同定することができた。
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