研究実績の概要 |
プログラニュリンは生後1日目から生後9日目網膜において増加が認められ、ミクログリアは生後1日目から生後7日目網膜において増加する (Kuse et al. Sci Rep. 2017, Santos et al. J. Comp. Neurol. 2008)。以上のことから、網膜発生期におけるプログラニュリンとミクログリアの関与が考えられた。 そこで、網膜発生期におけるプログラニュリンのミクログリアへの役割に関して、プログラニュリン欠損マウスを用いて検討した。生後7日目のプログラニュリン欠損マウス網膜において、ミクログリアの減少と網膜前駆細胞数の減少が認められた。また、コロニー刺激因子1受容体 (colony stimulating factor 1 receptor: CSF1R) の阻害剤により、ミクログリアを減少させると、網膜前駆細胞増殖が低下することが明らかとなった。これらの結果から、プログラニュリンの欠損により、発達期網膜におけるミクログリアが減少し、前駆細胞数の低下につながることが示唆された。
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