研究課題/領域番号 |
16K11329
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
本田 美樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30348990)
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研究分担者 |
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 特任教授 (10167322)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脈絡膜新生血管 / 加齢黄斑変性 / ドラッグデリバリー / リポソーム / ファスジル |
研究実績の概要 |
ファスジル内封リポソーム点眼後の後眼部への薬剤到達経路 ファスジル内封血管標的化ペプチド(Ala-Pro-Arg-Pro-Gly)修飾リポソームの点眼後の 粒子径約100 nmのファスジル内封ペプチド修飾リポソーム(脂質組成:DPPC/Cholesterol/DPPG/APRPG-PEG2000-DSPE=10/5/1/1)を、硫酸アンモニウム法を用いて調製した。BNラットにレーザー照射を行い、実験的脈絡膜新生血管を作成し、ファスジルリポソームを点眼後、眼組織を角膜・水晶体・虹彩毛様体・網膜・脈絡膜・強膜に分離し、各組織におけるファスジル、水酸化ファスジルの到達量を質量分析法にて定量した。組織抽出液には内部標準物質として、1-[(5-イソキノリニル)スルホニル]ピペラジンを添加し、珪藻土を用いて液液抽出後、MRM法にて測定した。また、リポソーム脂質層に赤色蛍光を封入し、脈絡膜新生血管の二重染色を行い、網膜、脈絡膜のリポソーム到達量の分布を蛍光顕微鏡用いて観察した。 後眼部ではファスジルよりも水酸化ファスジルの方が多く検出され、後眼部における組織ごとの検出量は強膜>脈絡膜>網膜(ng/組織)であった。また組織からの抽出操作中にファスジルが水酸化される割合は小さかった。二重染色では脈絡膜のレーザー照射部位にリポソームが集積していた。 以上の結果よりファスジルは体内で水酸化され、リポソームは点眼後、経強膜路で脈絡膜新生血管に到達している可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験施設空調工事のため、施設利用が出来ない期間があったため。
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今後の研究の推進方策 |
ファスジルリポソーム点眼後の新生血管抑制効果、非点眼眼への薬剤到達量の定量 脈絡膜新生血管抑制効果の病理学的評価
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次年度使用額が生じた理由 |
研究課題の論文投稿を次年度に延期したため
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