培養細胞を移植する報告は各臓器において、研究レベルあるいは臨床レベルで行われている。しかし、移植後に、生着し、そして細胞の供給源にする技術は確立されていなかった。我々が採取した組織幹細胞から得られた前駆細胞は未分化な状態を維持し、しかも動物眼に移植した後も細胞の供給源となり、角膜透明性維持に働いた。分子・遺伝子レベルでは、テロメア長が短縮せず、DNAのメチル化率が低い状態の細胞であることが分かった。本技術を使うことにより、自己の細胞群から選択的に質の良い細胞を採取し、更に自己に戻ることにより疲弊した組織を修復が可能となることが示唆された。また本方法は他の臓器にも応用可能というメリットもある。
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